格安SIMの中にはSIM単体での安さやサービスで勝負するところもあれば、同時に提供する端末の多さや特典、付帯するサービス、さらには対面で加入できることや、サポート体制をアピールするなど業者ごとに違いが大きくなっている。
しかし、一見、付帯サービスや特典で勝負していると思ったSIMを、単体で使ってみても思わぬ良質サービスだったりする。今回はニフティが提供している「NifMo」をSIM単体で購入、使ってみた。
端末売りやサービスがウリの格安SIMと思っていたが……
NifMoといえば、端末セットでの料金を第一に掲げてアピールをしている格安SIMだ。また、関連する店舗やサービスの利用で、月々の料金がさらに安くなるなど、格安SIM以外のサービスに絡めてお得なサービスだと思わせているところもある。
本連載でも紹介したり比べたりすることの多い、「IIJmio」や「OCN モバイル ONE」が単体のSIMのお得さを第一にアピールしていることと対照的だ。
そんなわけであまり注目をしていなかったNifMoだが、実際にSIMのパッケージを売る家電量販店を見てみると、データ通信専用、SMSナシならば1100円で売っている例を見かけることもあり、試してみようと思うことになった。
端末購入ならば3240円かかる初期事務手数料が1100円で済んでしまうことになり、これならば端末購入しなくても十分お得だ。
また、1100円で売っていたことを発見した店はヨドバシカメラだが、通販でも送料無料で同額。しかも10%のポイントがあるので、約1000円で格安SIMに加入できる。安くパッケージを手に入れられてば、非常にお得な格安SIMと言えるだろう。
気になるプランはさまざまなものがあるが、月間の高速通信容量が3GBで税抜き900円と、格安SIMのきわめて標準的な料金設定ということができるだろう。
パッケージにはSIMが入っていない!?
さて、安く加入できるパッケージは店頭で売られているが、店頭に置いているパッケージは言わば“加入権”というべきシリアル番号が書かれているだけのもので、実際のSIMは手続後に送られてくるという仕組みをとっている。
現在はSIMカードの種類(サイズ)が3種類あり、それらをすべて店頭に在庫するのは非効率という判断だろう。すぐ入手できてすぐ使えないのなら何のための店頭購入かと言いたくもなるが、通常よりも2000円以上安いなら仕方がない。
加入手続きはウェブサイトから行なう。インターネット回線の加入なのに、インターネット回線が必要なのはどうだろう? とも思うが、今や格安SIMしかネット回線がないということもレアケースなので、あまり大きな問題にはならないかもしれない。
住所氏名や支払いのためのクレジットカードを登録すると、すぐ登録完了……と言いたいところだが、NifMoはちょっと違う。
訪問指導サービスまである付帯するサービスについて選択しなければならない。もちろんすべて有料だが、追加しないという選択を繰り返す必要があり、単体のSIMだけさっさと送ってこいと思っている人にはちょっと煩わしさを感じるかもしれない。
SIMカードの納期だが、筆者の場合、夜遅くに手続きをし、翌日(平日)に発送を確認。翌々日には宅配便で届いた。購入から2日後ということになる。とはいえ、他のネット注文の格安SIMでは、これほどすぐ発送されないものもあるので、早いほうと言えるだろう。
そして、加入月のNifMo基本料金は無料となる。月初に開通させれば、まるまる一ヵ月分トクすることもできる。
SIMカードとは別に、郵送で入会案内が送られてきた。@nifty加入時の入会案内と同じものと思われ、あらためて利用のための情報や会員情報が記載されている。
入っているものは、契約案内とサービスの約款などで、APNの設定方法といった使用のための基本的な説明はSIMカードのほうに同梱されている。
格安SIMの中には純粋に接続だけしか提供されないものもあるなかで、NifMoは@niftyのメールアドレスまで無料でついてくる。フリーメール使用禁止を条件にするサービスはいまだにあり、そんなサービスを使う際に有用なのでありがたい。
(次ページへ続く、「サービス面はほかの格安SIMより若干不足ぎみ」)

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