昨今、モバイル業界で通信品質の問題といえばドコモが話題に上ることが多いが、筆者は「もっと楽天モバイルの品質についても議論されていいのでは?」と感じている。2020年にサービスを開始してから早いもので6年経過。筆者もメイン回線またはサブにしたりと、ほぼ切れ目なく使い続けてきた。最新の利用状況を踏まえた楽天モバイルの「現在地」について整理してみたい。
住宅地には強いが、繁華街の「地下」や「屋内」に潜む不安
楽天モバイルを長年使っていて感じるのは、エリアの広がりが一段落した後の「建物の内部」における改善の停滞だ。もちろん、そこがエリア展開をするうえで最も難しい点だとは理解している。しかし、一ユーザーとするとそこが改善してほしい部分でもある。
楽天モバイルの基地局展開にはやや特徴が感じられる。住宅地においては、電柱よりも少し長い程度の柱の先にアンテナを設置するケースが多い。そのため住宅地では他社より基地局数が多くなるのか、エリアの穴が少なく、コンクリートの建物の中でも意外に使える印象だ。
しかし、都市部へ出ると状況が変わってくる。コンクリートに囲まれたビルの中や地下街では、依然としてエリアの穴が目立つ。
そのような場所でも「どこでも大体使える」のは、auローミングの恩恵が大きかったとも感じている。そして最近になって、店舗のレジでバーコード決済が使えなくなったといった声を見かける機会が増えたのは、ローミングエリアの縮小が影響している可能性はある。
「混雑時間帯の速度低下」が「データ無制限の魅力」を削いでいる
ただ、筆者がエリアの問題以上に深刻に感じているのは、場所やタイミングによって顕著になる速度低下の方だろう。
以前、本連載の2024年11月の記事時(「今の楽天モバイルってどうなってる? メイン回線で使える? 速度低下はどう?」)は、都心部での地下鉄の駅間がかなりひどい状況で測定もできない状況だった。ただ、これは楽天モバイル側が積極的に改善を進めた結果か、状況が変わってきている。
今回も安全にテストができる、ラッシュのピークが過ぎた9~10時にかけて測定した。楽天モバイルとahamo(ドコモ)とLINEMO(ソフトバンク)の3回線で試している。
| 東京メトロ駅間 | 下り | 上り |
|---|---|---|
| 楽天モバイル | 2.39 | 17.00 |
| ahamo(ドコモ) | 22.65 | 4.97 |
| LINEMO(SB) | 16.03 | 14.78 |
| 東京メトロホーム | 下り | 上り |
|---|---|---|
| 楽天モバイル | 41.50 | 30.95 |
| ahamo(ドコモ) | 197.50 | 15.30 |
| LINEMO(SB) | 256.00 | 34.75 |
かなり混雑している路線だけに楽天モバイルは下りが2.39Mbpsと極端に遅い。ドコモとソフトバンクが動画も問題なく見れる速度を記録しているが、楽天モバイルだけはギリギリか解像度の低下は避けられない。これが、体が触れ合うほどのラッシュならばもう少し厳しいかもしれない。
駅間でなくホームになると基地局も増やせるので速度は大幅に改善されている。動画ならホームの電波が届くうちにバッファしていれば駅間でも問題ないかもしれない。そして、ドコモやソフトバンクの駅ホームでの速度はさらに桁違いだ。
| 都営地下鉄駅間 | 下り | 上り |
|---|---|---|
| 楽天モバイル | 40.55 | 10.19 |
| ahamo(ドコモ) | 76.90 | 4.62 |
| LINEMO(SB) | 56.70 | 6.32 |
| 都営地下鉄ホーム | 下り | 上り |
|---|---|---|
| 楽天モバイル | 35.40 | 39.10 |
| ahamo(ドコモ) | 71.80 | 8.43 |
| LINEMO(SB) | 251.00 | 29.60 |
こちらの例の方が混雑が少なかったのもあるが、楽天モバイルでも40.55Mbpsの速度が出る。これならば動画視聴にも問題はないだろう。ホームではソフトバンクは爆速。楽天モバイルとドコモはやや振るわなかった
また、明確な数字は出せないものの、普段から街で使っていると、混雑時間帯の速度低下が顕著なのが楽天モバイル。全体としての設備の増強は待ったなしという状況にあるように思われる。
なお、都営地下鉄のホームでのテストでドコモの数値も振るわないが、これは最近のドコモの傾向。今回の測定中も数字は出るものの、途中で途切れるような挙動もあったほか、日頃使っていてもなにかひっかかるようなデータの流れ方をすることが多いように感じる。では、引っかかりのあるドコモと、速度低下もある楽天モバイルのどちらが快適かというと、後者の方が多いように考えている。
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