円柱型冷蔵庫「Tower」
円柱型冷蔵庫「Tower」を開発していることを公表。「人に見せたいという価値を提供するものになる。初のタワー型冷蔵庫であり、キッチン以外に置いて自慢できる。高級レストランのような雰囲気も演出できる。これは開発中のものだが、本気で売るつもりだ。技術的なハードルは高いが、いつも私が要望する無理難題を、必ずかなえてくれる技術集団がいる」などと語った。
また、Non-Refプロジェクトでは、食品保存を冷蔵庫だけに頼るのではなく、冷やさずに腐らせない提案を行なう。「腐らないようにするには、冷蔵庫しかないのか。そうした発想から生まれたもの。食べ物が腐るのは酸化するため。酸化を抑えることで、食べ物を保存できる」という。
空気(オゾン)を利用してスーツやジャケットなどを除菌・消臭
衣類エアウォッシャー「ラクーン」
一方、衣類エアウォッシャー「ラクーン」(AHW-SR1)を、2015年6月下旬から発売する。
水を使わず空気(オゾン)を利用してスーツやジャケットなどを除菌・消臭できるもので、「水を使わない洗濯機として発売する」と位置づける。
「シルク、レース、デニムなど、水で洗いたくないものがある。これらをオゾンの力で除菌、消臭する。また、肌が敏感で洗剤が使えないという人にも効果がある」とする。
衣類全体に好みの香りを付けることが可能な「フレグランスモード」を搭載。オゾンによる洗濯1回のランニングコストは約1.9円だという。6月2日からハイアールアジアのオンラインストアで予約販売を開始する。価格はオープン。
新デザインの洗濯機も
洗濯機では、ラクーンのほかに、全自動洗濯機「スラッシュ」を発売する。洗濯槽を約10度手前に傾け、洗濯物を取り出しやすくしているのが特徴。さらに、衣類を持ちあげて洗う手のひら形状の新開発スラッシュウイングにより、布がらみや洗いムラを抑えて、きれいに洗い上げるという。
さらに、すでにプロトタイプを公表していたスケルトン洗濯機「Clear」の開発が進んでいることも明らかにした。
「透明の洗濯機を作ってほしいと要望した際に、技術陣もきついといっていた。実際、洗濯槽をスケルトンにしなくてはならないという問題が発生した。水族館のガラスはスケルトンであり、できるのではないかと思ったが、そう簡単ではない。そこで新たな発想が生まれた。真ん中に筒を置いて、それを使って脱水を行うというもの。これまでの洗濯機にはない逆の構造を実現している。洗濯をしている様子を見ているのは飽きない。洗濯をしている音もいい。新たなエンターテイメントともいえ、一杯飲みながら、洗濯を見ることもできる。洗濯の音は癒し効果もあり、これでバリなどのリゾート地に行く必要がない。家のなかで、リゾート感覚を楽しんでもらえる」などとジョークを交えて紹介した。
ハンディ栄養成分測定器「CAL」
そのほか、ハンディ栄養成分測定器「CAL」(カル)を2015年内に発売することを発表した。
食材のカロリーや栄養成分を測定できるもので、「健康に対する意識が高まるなかで、AQUAとして、なにかお手伝いができないかと考えて製品化した。食材を載せれば、重量を測定するとともに、カメラで撮影して画像を処理。いま口にしようとしているものが、なんの食材かを判断して、そこから栄養情報を計測し、スマホやPCに送信して、カロリーや栄養成分がわかる。設置型だけでなく、持ち運んで利用することができる製品も検討している」という。
ミルク自動調合機「Auto milk」
また、「Auto milk」と呼ぶミルク自動調合機を2016年に発売する。
「育児は睡眠不足になるなど、重労働である。これを軽減できないかと考えた。少しでも作業を軽減すれば、新たな時間が生まれて、その時間を別のことに使うこともできる。ミルクづくりを全自動化して、簡単に、だれでも作れるようになれば、男性も、家族も育児を支援できる。洗濯機が女性の重労働を解放したように、これによって、女性の可能性を広げたい」と述べた。月齢にあった適量、適温のミルクを調合。タイマー機能によって、就寝前に適量、適温のミルクづくりの時間を設定したり、アラーム機能によって、飲ませ忘れも防止したりできる。
ハンディ洗濯機「COTON」に新色追加
一方、すでに発売済みの製品として、ハンディ洗濯機「COTON」(コトン)においては、期間限定カラー13色のほか、ディズニーキャラクター、スター・ウォーズキャラクター、マーベルキャラクターをデザインした11色を含め24色を追加。「ミッキーマウス」や「くまのプーさん」「アナと雪の女王」などのキャラクターデザインを施している。
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「コトンの売れ行きは好調。海外にも展開し、ある国では初日で3万台のオーダーを得た。今回のカラー展開で、必ず欲しい色が見つかる」とした。
冷蔵庫用着せ替えカバー「Colo-mo」
また、冷蔵庫用着せ替えカバー「Colo-mo」(コローモ)を発表。ハイアールアジアのオンラインストア「A by A.com」で、6月2日から予約販売を開始する。
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冷蔵庫の扉に、自分好みのキャラクターがデザインされた「冷蔵庫用 着せ替えカバー」を取り付けることで、気分転換をしたり、部屋のイメージを変えたり、インテリアの一部として楽しむことができるもので、第1弾デザインとして、ウォルト・ディズニー・ジャパンとのライセンス契約に基づいて、「ミッキーマウス」や「くまのプーさん」などの人気ディズニーキャラクターのほか、「アナと雪の女王」、「STAR WARS」、「MARVEL」などのデザインを用意した。カバーの材質は耐久性の高いPVC(ポリ塩化ビニル)で、そこに高画質印刷を加え、冷蔵庫扉側面の曲面に合わせた特殊な曲げ加工を採用したという。生産はすべて日本国内で行っている。
なお、コローモが装着可能な冷蔵庫は、AQUAブランドで発売している「AQR-16D」「AQR-18D」、「AQR-SD28C」などの6製品。今後発売する冷蔵庫でも対応するという。受注生産のため、注文後納品まで3週間程度を要するとしている。
これらの製品は、今年1月に発表した「家電を利用した新しいビジネスモデルの構築」「既存分野でのイノベーション」「家電の嗜好品化」という戦略に則ったものと位置づけており、「AQUAによる革命を、有言実行する具体的な製品」と位置づけた。
ハイアールアジア 代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏は、「自分たちがワクワクしないものは提供してはいけない。私が欲しいもの、ワクワクするものを発売する」とする一方、「今の若い人たちは輝かしい日本を知らない。日本の家電は、アジアや世界で輝いていた。私は、昏睡状態にある日本を覚醒させたい。日本の強い部分、そして、アジアの強い部分を生かし、新たな価値提案によって、家電業界に革命を起こす。AQUAというブランドはそういう役割を果たすものになる。荒唐無稽といわれたり、大げさといわれるかもしれないが、誰かが言わないと始まらない。新たな価値、新たな可能性を伝えるカデンを提供していく。今日から、新たなAQUAが本格稼働する」と述べた。