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1/1サイズ「R2D2」が飲み物を運んでくれる!? - ハイアールが新型冷蔵庫を開発中

2015年06月04日 17時00分更新

文● 大河原克行

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 ハイアールアジアは、同社の事業戦略を発表した。「Innovation Trip! 2015 feat. AQUA」と題した事業発表会で、同社の代表取締役社長兼CEOである伊藤嘉明氏は、「AQUAブランドによって、本気で家電業界に革命を起こす」と宣言。「家電の時代は終わった。我々は、価値を伝える価電、可能性を伝える可電を提供していく」と語った。また、「三洋電機時代で13年間、ハイアールになってから2年間の累計15年間に渡って赤字だった事業がようやく黒字化した」と語った。

ハイアールアジア 代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏

数々の新製品を発表

家電ではなく、価電、可電を目指すという

日本覚醒を打ち出す伊藤社長

 さらに、スター・ウォーズに登場するR2D2型の冷蔵庫を開発すると発表。「1分の1サイズであり、日本国内で生産することになる。できれば2015年12月の新作映画公開までを目標に発売したい。価格はまだ決めていない」(伊藤社長)とした。

「部屋にこもって一人で映画を見ている際に、飲み物が欲しくなった場合、自分から取りに行くのではなく、来てもらうことができないかと考えた」(伊藤社長)というのが発端だという。ウォルト・ディズニーとの交渉により製品化を実現。音声や動き、点滅などを含めて、実物に忠実に作ったとするこの製品では、本体前面の扉を開けると、冷えたペッドボトルや缶の飲料を取り出せる。

「R2D2型冷蔵庫」(仮称)。本体前面の扉を開けるとペッドボトルなどを取り出せる

忠実に再現したというだけあって、R2D2に動きもそっくり!?

 同社は、今年1月14日に「ハイアールアジア Innovation Trip!」と題した事業方針説明を行っており、今回の説明会はその第2弾と位置づける。三洋電機から事業を引き継いだ「AQUA」ブランドの製品群に焦点を当てて説明。日本市場向けのビジネスや、日本からアジアに向けて投入する製品などに焦点を当てた。

 冒頭、伊藤社長は「AQUAというブランドをどう捉えているか」と切り出し、三洋電機からハイアールへと事業が譲渡されてから、これまでの2年間を振り返り、「当初は、イメージキャラクターに小泉今日子さんを起用し、認知度を高めることができ、最初の移行期間としては成功したといえる。だが、それでもアクアは赤字を計上した。なぜか。それはこれまで通りの家電を作ってきたからだ」と語った。

 「昭和30年代に、洗濯機、冷蔵庫、テレビは『三種の神器』とまでいわれた。それは、生活を変えるだけの価値を家電が持っていたからだ。洗濯機は、洗濯という重労働から主婦を解放し、テレビは遠くのモノを映し出し、冷蔵庫はモノを腐らせないという価値を提供した。しかし、もはやその役割は終わっている。もう一度、昭和30年代の三種の神器としての家電が持っていた驚きを、時空を超えて戻す。そんなものを提供したい」とした。

 そうした姿勢の上で、今回の新製品の発表を行ったと位置づける。

世界初の液晶ディスプレイ付き冷蔵庫「DIGI」

 最初に発表したのが、今年1月にプロタイプを発表した冷蔵庫の扉に液晶ディスプレイを搭載した「DIGI」である。

液晶ディスプレイを搭載した冷蔵庫「DIGI」

 「世界初の液晶ディスプレイ付き冷蔵庫、または冷蔵庫機能付きの液晶ディスプレイといえる製品。白物か黒物かと聞かれるが、どちらでもあり、どちらでもない製品。だが、冷蔵庫は冷やすだけのものではないという提案ができる製品であり、IoTに対応したことで様々な可能性が広がる」と語る。

 冷蔵庫の扉に搭載した液晶ディスプレイに様々なコンテンツを表示。ニーズにあわせたアプリケーションやコンテンツを提供することで、サブスクリプション型ビジネスモデルを構築する。

 DIGIには、Wi-Fi機能、マイクなどの採用により、ジェスチャーでの操作も可能になり、どんな食材があるのかといったことや賞味期限がいつまでなのかといったことをディスプレイ上に表示。足りない食材を注文でき、冷蔵庫にある材料だけで作れるレシピも提示できる。

 「冷蔵庫は、冷やすだけのものでなくてもいいと考えている。エンターテインメントコンテンツを見て楽しんでもいい。冷蔵庫を見てびっくりする子どもはいないが、冷蔵庫の液晶ディスプレイのコンテンツを見て、びっくりする子供はいる。

 今の冷蔵庫では実現できないことをやるのが、DIGIが目指すもの。可能性を広げる新たな三種の神器があってもいい。冷蔵庫はキッチンの奥まったところに設置するのではなく、家具として利用したり、大切な人との絆をつなげるといった、まったく新しい価値を提供し、昇華した存在へと生まれ変わる」と伊藤社長は語る。

 IoTの技術を使って、離れた場所に住む家族の見守りサービス機能も提供するという。

 扉に32型フルHDディスプレイを搭載したDIGI-Type1は、Androidを採用。2015年秋に発売するという。また、ディスプレイ1枚を搭載し、コンパクトサイズとしたDIGI-Type2を2016年に発売する予定。同製品は、「OFF ICE(オフアイス)サービス」に対応しており、在庫が少なくなった場合にディスプレイ上の操作でネットを通じて注文が行える機能も提供するという。

32型フルHDディスプレイを搭載したDIGI-Type1

ディスプレイに様々な情報を表示する

32型フルHDディスプレイを1枚搭載したコンパクトタイプのDIGI-Type2

リビングルームに設置することを想定したDIGI-Type3

 OFF ICEサービスは、現在試験的に実施しているサービスで、オフィスに無償で冷蔵庫を提供し、ベン&ジェリーズのアイスなどを販売。これによって収益を得るという仕組みだ。

 「メーカーが冷蔵庫を無料で配るビジネスはあり得ないといわれた。しかし、サービスを発表して以降、多くのポテンシャルパートナーから問い合わせがあり、すでに数社とプロジェクトを推進している」という。

 さらに2016年には、DIGI-Type3として、インテリアとの調和を目指した製品を投入。横長の筐体の前面に4枚のモニターを配置しており、リビングなどに設置することを目指す。

 「冷蔵庫はキッチンに置くものという常識には捉われない」(伊藤社長)という発想で生まれたものだ。

鮮度を落とさずに食材を持ち運べる移動式冷蔵庫も開発中

 また、冷蔵庫関連では、Carryと呼ぶ移動式冷蔵庫を開発していることも発表。スーパーなどで購入した生鮮食品や冷凍食品を長時間保冷できるもので、日常の買い物時での利用のほか、屋外キャンプやバーベキューなどにも食材を持って行ける。「鮮度を落とさずに食材を持ち運びできる」(伊藤社長)という提案が可能。主婦のアイデアをもとに、企画・開発が始まったもので、2016年春の発売を予定している。

Carryと呼ぶ移動式冷蔵庫

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