AMDは6月3日、台湾で開催中のCOMPUTEX TAIPEIにてコードネーム“Carrizo”と呼ばれる第6世代のAPU「AMD Aシリーズ」を発表した。
発表会に先立ち、AMDはプレス向けにCarrizoの基本性能についての解説を行なった。
第6世代のAPU「AMD Aシリーズ」の出荷は、すでにOEMメーカー向けには行なわれており、東芝やレノボ、デルといったメーカーへの採用が公表されている。
AMDによると、現在PC市場で最も売れ行きのいいゾーンは10万円以下、400ドルから700ドルと低価格帯のモデル。特に400ドルから700ドルのノートPCがもっとも大きなシェアになっている。
また、PC使用目的として、ビジネス文書の作成やウェブブラウジング、メールなどでのコミュニケーションだけでなく、ビデオや写真の管理といった“コンテンツマネージメント”、動画のオンデマンドやゲーム中継の視聴といった“ストリーミングビデオ”そして“オンラインゲーム”といったヘビーな作業を行なうジャンルも重要な目的となっている。
つまり、低価格でもこういったヘビーな作業がこなせるように最適化されたAPUが、第6世代のAPU「AMD Aシリーズ」だ。
たとえば、ストリーミング動画については、H.265にノートPC用のAPUとして初めて対応。H.265はフルHDを超える4Kや8Kにも対応した規格。当然ながら超高解像度の動画はデータ量も大きくなるが、CPUレベルで再生に対応しているので、視聴がスムーズだ。
さらにH.265再生時のバッテリー消費量は、従来のAPUでの再生と比較すると約半分。充電なしで再生できる時間が2倍近くに伸びている。
グラフィック機能はRadeon R6/R7を内蔵。同価格帯でライバルとなるインテルのBroadwellとベンチマークで比較しても、高い数値となっている。400ドルから700ドルという低価格なノートPC向けのAPUながら、オンラインゲームなども十分楽しめる性能となっている。
Carrizoは4つのCPUと8つのGPUで構成されたAPUで、演算処理動画能力を表すGLOPSは800以上。さらにOpenCL 2.0をサポート。動画のエンコードや写真の編集といった、負荷の高い作業が高速化されている。オンラインゲームと同じく、低価格帯のノートPCでもストレスなく動画や写真の編集できるようになる。
さらに新しい機能として“ジェスチャーコントロール”に対応。CPUレベルでの対応で、機能を利用するために特別なカメラ機能や専用ソフトが不要なのがポイント。PCの前で手をかざすことで操作できるようになり、ゲームのコントローラーなどへの活用が期待できる。
Carrizoの登場により、低価格ながらゲームやストリーミングの視聴、配信など高負荷の作業もこなせる高性能なコストパフォーマンスが良いノートPCが登場しそうだ。
発売間近?
Carrizo搭載のメーカー製ノートPC
また、イベント会場にはCarrizo搭載のメーカー製ノートPCを展示。それぞれ正確なスペックや発売時期など詳細情報のアナウンスはなかったものの、イベントでは翌月以降から順発売されていくとアナウンス。各メーカーの正式なリリース発表も近いと思われる。
A10-8700P搭載モデル
FX-8800P搭載モデル
新GPUをチラ見せ!
さらに3日の発表会終盤には、未発表の高性能DRAM「HBM」搭載のGPUのチラ見せがあり、6月16日に発表会を行なわれることがアナウンスされた。それぞれ詳細は不明なため、今後のAMDの動向に注目したい。
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