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“Moonshotの生みの親”ポール・サンテラー氏インタビュー

「2015年のHP Moonshotは急角度で飛翔」製品総責任者が語る

2015年03月31日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

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日本市場はMoonshotのベストマーケットである

――現在のフォーカス領域はわかりました。では今後、新たにフォーカスしていくつもりの領域はあるでしょうか。

 新しい領域ではなく、ビッグデータ/アナリティクス領域をしっかり拡張していきたい。m710の次に提供する予定のカートリッジで、HPC/クラウドでの需要を伸ばしていけると考えている。

 “キャズム越え”の理論によれば、画期的な製品を投入した場合はまず、最初にフォーカスしたことをきちんとやり遂げることが大切だという。だから今後12カ月間は、先ほどの3つのフォーカス領域に集中的に取り組んで、導入事例も今の2倍くらいに増やしたい。

――それでは、Moonshotにソフトウェアまで組み込んで、アプライアンスのような形で販売していく考えはありますか。

 ISVとのパートナーシップを組んで、ソフトウェアをプリインストールして販売するという形で、すでに注力している。3つのフォーカス領域で、それぞれキーとなるISVと組んでおり、HPとして顧客ニーズを把握すべく、ISVのイベントに参加するなど積極的な取り組みを行っている。

――市場で、Moonshotと競合する製品はあるのでしょうか。また、今後は出てくるでしょうか。

 競合は現在のところ見当たらない。HPでは、Moonshotに繰り返し投資と改善を行い、日々能力を向上させてきた。この品質とスピードに追随するためには、競合はかなりの投資を行わなければならないだろう。

 もしかしたら、個々の領域で部分的に競合する製品は出てくるかもしれないが、HPが見ているような大きなビジョンで競合してくるところはないと思う。

――最後に、Moonshotにとって日本市場はどういう位置づけなのでしょうか。

 日本市場は、Moonshotビジネスを始めた当初からベストマーケットという位置づけだ。日本の(日本HPの)マーケティングチームは早期からMoonshotの価値を理解し、きちんとプロモーションしてくれた。また、日本の顧客は節電やスペース、コストといった課題を抱えており、そのニーズにMoonshotが適しているということもある。

 モバイルワークスペース領域のビジネスについては、日本でのニーズがあったからこそ立ち上がった、ある意味で日本が市場を作ってくれたといっても過言ではない。これからメディアプロセッシング、ビッグデータの領域についても、ビジネスが拡大していくことを期待している。

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