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TOKYO AUDIO STYLE 第5回

「いい音」を探る楽曲制作プロジェクト

東京女子流の楽曲完成! ハイレゾとCDの作り方の違いは?

2015年03月23日 17時00分更新

文● 構成●荒井敏郎
写真●Yusuke Hommma(カラリスト:芳田賢明)

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作曲者と調整しながらトラック・ダウン終了

小島 東京女子流さんのボーカルが入ったことも影響していると思うのですが、トラック・ダウンの段階で、作曲時のイメージに戻りましたよね。

山田 仮歌と比較すると若い子のイメージが近かったのかもしれないですね。

与田 若い子たちにとっては低いキーのほうが難しいケースがありますね。低いキーでテンションを上げて歌うのは難しいんですよ。東京女子流のメンバーに合わせたキーにしているけど、これより少し下の音が入ってくるところは表現力が厳しくなるかもしれませんね。

山田 僕は東京女子流さんの歌を聴かせてもらって、多少これまでよりも余裕のあるレンジが歌えるかなと思って作曲してみました。

与田 小西 彩乃なんかは低い声が出るからね。東京女子流の場合は、レコーディング作業の8割はこのボーカルエディットかなと思いますね。

小島 その作業中に、音をいじりすぎて人工的になってしまう境目みたいなポイントはあるんですか?

与田 それは難しいですね。聴く人によってポイントが異なるので、人によってはいいと思ってもほかの人は気になってしまうというのが音なんですよ。だから、ディレクターの仕事は「これで大丈夫!」って終わらせることなのかもしれません(笑)。

小島 なるほど(笑)。

作曲者である山田氏が試聴して確認

山田 ギターの音がもう少し聴こえてくるといいかなと思いますね。

川口 ギターはエフェクターがかかっているのでもともと音が遠いですよね。

与田 6kHzくらいのところをイコライザーでガツンと上げてみよう。

山田 ほかの音をじゃましない程度に上がってくれば大丈夫です。

小島 この段階でヘッドルームはどのくらい残っているんですか?

川口 リミッターで音圧は上げているので、ピークまでは入っていますが、音がつぶれるようないわゆる「ふんどし」の状態にはなっていません。

小島 そうですね。

与田 これを書き出して通常のCD用のトラック・ダウンは終了ですね。

(次ページでは、「ハイレゾ版はどう作るのか」)

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