「いい音」を探る楽曲制作プロジェクト
「音楽は数学だ」 東京女子流の楽曲に秘められた音づくりの理論
2015年01月22日 17時00分更新
山田 巧氏が作曲した楽曲を
松井 寛氏が東京女子流サウンドにアレンジ
ラックスマン株式会社広報担当の小島 康氏、サウンドプロデューサーの与田 春生氏、作曲家の山田 巧氏の3名の対談でスタートした本連載。対談の中では、楽曲制作における「いい音」にかかわる部分について話をしてもらった。
参加していただくダンス&ボーカルグループの東京女子流は、もともと、音質評価の高いサウンドを提供していた。そうした中、これまで同様の楽曲作りをしていく過程で、高級オーディオ用に最適化したサウンド作りを目指した場合、どのようなものになるのか? というのが今回の最大のテーマだ。それは果たして「いい音」になるのか? ここではその制作のスタートである、曲作りの作業を紹介。中でも、作曲された原曲に音を加えていくアレンジ作業を中心に見ていこう。
まず、山田氏による作曲。今回は3曲ほどのテイストの異なる楽曲の中から、方向性を決めて、1曲に絞り込み制作スタート。できあがった楽曲を松井氏がアレンジ。ギターとボーカル以外の部分を打ち込みで加えていき、最後に仮歌を入れてひとまず完了だ。
編曲までの段階での主な行程 | |
---|---|
作曲 | 山田氏が作曲。MIDIデータの状態で松井氏に渡す |
編曲(アレンジ)の仮作業 | 松井氏がメロディーに音を加えていきアレンジしていく。ベーシックなリズムとコード、ベースラインを打ち込みで入力。できあがったデータをWAV形式に書き出してエンジニアの川口氏に渡す |
仮歌を入れる | 川口氏が、松井氏のアレンジが加わった曲に仮歌のボーカルを入れていく。仮歌が入った状態のものを松井氏に渡す |
編曲(アレンジ)の本作業 | 仮歌が入った状態のものを参考に、松井氏が楽曲のアレンジを清書して完了。歌入れへと進む |
松井 寛
作曲や編曲、音楽プロデュースなども手がける音楽家。MISIAや加藤ミリヤのほか、SweetSやモーニング娘。などのアイドル歌謡も手がけている。「東京女子流」では主に編曲やリミックスを担当しており、ステージにサポート出演することも多い
(次ページでは、「コード進行を意識しながらリズムやピアノの音などを打ち込んでいく」)
この連載の記事
-
最終回
AV
東京女子流はハイレゾ好き? 「加速度」音源を聴き比べ! -
第6回
AV
東京女子流の楽曲を波形で解説! 将来マスタリングはなくなる? -
第5回
AV
東京女子流の楽曲完成! ハイレゾとCDの作り方の違いは? -
第4回
AV
東京女子流の録音開始、エンジニアの機材はほぼ使わないって本当!? -
第2回
AV
作曲現場からオーディオまで、プロが思う「いい音」とは -
第1回
AV
有名5人組アイドルが歌う、本当にいい音で作るプロジェクトがASCII.jpで開始!! -
AV
TOKYO AUDIO STYLE - この連載の一覧へ