「いい音」を探る楽曲制作プロジェクト
東京女子流の楽曲完成! ハイレゾとCDの作り方の違いは?
2015年03月23日 17時00分更新
東京女子流がオーディオについて学ぶ!!(3回目)
今回のプロジェクトでは「いい音」での楽曲制作を目的とし、具体的には「高級オーディオで聴く」ということを前提とした音作りに挑戦している。そしてご協力いただくアーティストは、ダンス&ボーカルグループの東京女子流メンバー。一緒に楽曲制作プロジェクトを進めていく中で、オーディオについて少しでも知ってもらおうと勉強会を開催した。
場所はラックスマン株式会社の試聴室。小島 康氏を講師として迎えて、試聴を交えながら東京女子流メンバーにオーディオについて解説。本連載では、その様子を楽曲制作プロジェクトの進行と合わせて、コラム的に紹介していく。3回目は、「アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック」からイディナ・メンゼルによる「レット・イット・ゴー」の音楽CD版とハイレゾ版を聴き比べてもらった。
── 今回ご一緒しているプロジェクトは、CDよりももっといい音で楽曲を作ろうというプロジェクトです。音楽CDの音はデジタル方式で、規格がきっちりと決まっているんです。そのため、「CD」マークが付いているプレーヤーがあれば必ず再生できるという便利さがあります。
ただ、CDは82年に生まれましたので、すでに33年たっています。そうすると時代も変わってきて、アメリカやヨーロッパではCDを越えるフォーマットとして、「ハイレゾ」での配信がはやっているんです。CDよりも、もっといい音のフォーマットで音楽を作りましょう、となり生まれたのがハイレゾです。ハイレゾはハイ(高い)レゾリューション(解像度)の略で、最近はパソコンや携帯プレーヤーでも簡単に再生できるようになってきました。そのため、日本でもハイレゾ配信が注目されてきており、今回の楽曲もハイレゾで作ろうという流れになったわけです。
言葉で説明してもわかりにくいと思うので、通常の音楽CDとハイレゾの音を聴き比べてみましょう。みんな大好き、「アナ雪のサントラ」をご用意しました(笑)。
全員 あー好き!
── まずはCD版、そのあとにハイレゾ版を聴いてみましょう。その違いがわかるでしょうか? というものですね。
全員 えー! 緊張する。
(「レット・イット・ゴー」CD版試聴終了)
全員 めっちゃいい音!
── これは普通にレコード屋さんで買えるCD版ですね。
小西 え? これ買えるんですか?
── はい(笑)。普通のCDです。
小西 聴いているシステムがいいから……。
中江 十分きれい……。
山邉 これ以上きれいになるの?
庄司 これで十分です。
── それでは、ハイレゾ版かけますね。ちょっと細かく聴いてみましょう。
(「レット・イット・ゴー」ハイレゾ版試聴終了)
── どうでしょうか?
山邊 こっちのほうが開放的で、ボーカルが目立って聴こえます。
新井 音の生々しさがあったし、ひとつひとつの音がはっきり聴こえてきました。
── そのとおりだと思います。特にボーカルはわかりやすいですよね。イディナ・メンゼルはブロードウェイのミュージカル女優として活躍している人でもあるので、歌に情感がこもっています。そうした表現は、ハイレゾ版で聴いたほうがはっきりわかるように思います。
東京女子流
2010年1月1日結成。エイベックスから久々に誕生した、小西彩乃・山邊未夢・新井ひとみ・中江友梨・庄司芽生からなる5人組ガールズ・ダンス&ボーカルグループだ。楽曲制作では、ROCKミュージシャンでLUNA SEAのベーシストでもあるJ提供曲や、BaseBallBearの小出祐介作詞作曲、ボカロPの八王子Pやきくおなど幅を広げることに挑戦するなどのほか、メンバーソロでfeatボーカルとして参加しているMaltine Girls Waveなど、幅広く音楽活動をしている。
メンバー紹介
山邊未夢(やまべみゆ)
東京女子流の最年長メンバー。デビューから2014年3月15日まで初代リーダーを務める。'96年6月24日生まれ、千葉県出身。発売中のニューシングル「Stay with me」では作詞を担当している
ニューシングル「Stay with me」発売中!
1stベストアルバム「キラリ☆」発売中!
この連載の記事
-
最終回
AV
東京女子流はハイレゾ好き? 「加速度」音源を聴き比べ! -
第6回
AV
東京女子流の楽曲を波形で解説! 将来マスタリングはなくなる? -
第4回
AV
東京女子流の録音開始、エンジニアの機材はほぼ使わないって本当!? -
第3回
AV
「音楽は数学だ」 東京女子流の楽曲に秘められた音づくりの理論 -
第2回
AV
作曲現場からオーディオまで、プロが思う「いい音」とは -
第1回
AV
有名5人組アイドルが歌う、本当にいい音で作るプロジェクトがASCII.jpで開始!! -
AV
TOKYO AUDIO STYLE - この連載の一覧へ