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2015年の転換期、メーカーはパソコン市場をこう考えている 第3回

2015年は「Chi」と「黒いZenBook」、だけではない!

“日本で成功すれば、他国でも” ASUSの戦略をさぐる

2015年02月18日 09時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp

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Chiシリーズは8.9、10.1、12.5型の3タイプをラインアップ。このラインアップの豊富さは、ASUSが他社と大きく違う点

すでに、2in1 PC市場は飽和状態
2015年のポイントは差別化にある

—— 引き続き各社さん、2in1スタイルのPCを続々と発表していますよね。

シンシア「もう、各メーカーさんから出揃ったと言っても過言ではありません。代表的な2in1 PCというと、マイクロソフトさんの『Surface』なども含まれますよね。2015年は、どう差別化を図っていくかがポイントになると思っています。

 TransBook Chiは12.5型のT300、10.1型のT100、8.9型のT90と、フルラインアップでリリースしていますが、3モデルとも非常に薄いです。『TransBook T100』も薄いのですが、TransBook T100 Chiはさらに薄くなっています。よくWindowsマシンを持ち歩く方にとってはいいチョイスだと思いますよ」

T100 Chi。キーボード装着状態で横から見ると、薄さが際立つ

西「T100 Chiの筐体は、大体2kgくらいのアルミ合金ブロックから削り出しているのですが、およそ100工程/40種類のカットを駆使していて、非常に手間がかかっていますね。たとえばスピーカーダクトなんかは、0.5mmくらいの大きさのものをおよそ100個くらい空けていたりと、かなり手が込んでいます。

—— たしかにChiシリーズは、仕上げの丁寧さが目立ちます。

西「ダイヤモンドカットのポリッシュなんかも、全力でやっています(笑)。ASUSのモバイルノートの代表的な製品といえば「ZENBOOK」ですが、ZENBOOKで培った加工の技術なども投入して、美しさを追究しました」

細かな仕上げの丁寧さが目立つ

福島「シンプルな言い方をすると、『毎日持つものなので、かっこいいものを持ちたいよね』というところなんですけど、(Chiは)我々の培ってきた技術を集めて、新しいものを作っていけたらという気持ちで作ったシリーズなので、質感や色味など、細部には特にこだわっているんです。性能だけに特化せず、デザインや質感の部分も含め、バランスよく作っている製品です」

西「ASUSの製品で、『TAICHI』というデュアルディスプレーのWindows端末があるのですが、マザーボードの収め方などはTAICHIで使った技術を応用していますね。マザーボードはおよそ1.2mm、ヒートシンクのパイプなどは0.6mmと、極限まで薄くしています。

 キーボードドックとの接続にはBluetoothを採用して、マグネットで着脱する形式にしたのですが、ここも非常に苦労した点です。

 ぐらついてしまったり、持っただけで外れないように、大体2kgの過重に耐えられる磁石を採用しました。でも、外そうと思って外すときには、それほど力を入れなくても外れるバランスを探しています。タイピングをしていただくと、ぐらつきがないのが実感いただけると思いますよ」

調整を繰り返したという着脱部のマグネット

—— Chiシリーズは「ASUSの2015年」にとっても大きな意味を持つ製品だと思いますが、メインターゲットはどんなユーザーになりそうですか?

シンシア「ひとつは、『WindowsPCを会社で使っているユーザー様の、サブ機』としての需要を狙っています。現代の会社員は、会社では性能のいいPCを使っている方が多いと思うのですが、同時に『会社からのPCの持ち出しは不可』という場合も多いんです。

 でも、『出張時や出先などで、来た資料を修正したい』ということはどうしてもありますよね。そういった使い方に、Chiはちょうどいいのではないかと考えています」

福島「12.5型のT300はCore Mなので、高い負荷のかかる作業が主業務でない方なら、メインとしてもお使いいただけると思います。T100とT90はAtomなので、好みに合わせてサイズを選んでいただければ、というところですね」

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