佐武宇綺が聞いちゃいます オーディオのココが知りたいです! 第10回
HD Impression 阿部さんはこれに魅せられた:
聴けば分かる、ハイレゾで聴く「サラウンド」の実力 (5/6)
2015年02月10日 17時00分更新
それでは一緒に聴いてみよう
佐武 やばい、超楽しみ~。
阿部 ついこの前まで、ここでミックスの作業をしていたんですよ。ある程度できあがったところで関係者に聞いていただき、直しが必要ならその場で調整してという感じで。いまやコンピューター1台あればその場で何でもできてしまうので。
佐武 えっ? そうなんですか? ミックスってスタジオで広い場所にズラーっと並んだ機材(オペレーション卓)を使ってやるものではないですか!?
阿部 最近はそういう機材を使うことはほとんどなくなりました。もちろんレコーディングはスタジオでするのですが、ミックスの作業はほとんどコンピューターの中で済ませてしまいますね。
佐武 私たちの現場ではレコーディングしたその場でミックス作業をやっているそうなので、阿部さんもスタジオで作業しているのだとばかり思っていました。
阿部 昔はそうだったんですけどね。いまはデジタル化しているので。Mac1台あればどこでも作業できるんですよ。
配信タイトルのひとつに、チェロとハープのアンサンブルを録ったものがあります。それを聴いてもらった際に光栄なコメントをいただきました。「自分が演奏していたときの気持ちがよみがえる」と言うんです。「自分の演奏は見れない。もちろん映像で残ったりはするんだけど、ステージでの感情を思い出す臨場感がある」と。
佐武 9nineも、ライブのブルーレイやDVDを出していますが、そのときの感動は、実際に来てもらわないと絶対に伝わらないじゃないですか。みんなの掛け声だったりとか、自分たちの声の響き方だったりとかを、体で感じないと分からない。
だからそれが映像ではなかなか伝わらないなって、悔しく思います。行かなくても大丈夫なアーティストになっちゃったら、逆に困りますけどね(笑)。
阿部 本当にサラウンドの録音は面白いんです。音のある場所にいる、という疑似体験の精度が高いですから。
佐武 すご~い、こだわりぬいた1曲ですよね。リリースまでもうすぐですよね。もうドキドキ。
阿部 ええ。ちょうど(取材した1月上旬に)納品が終わったばかりです。それでは再生してみましょう。まずはステレオから。
(教会で収録した女声3声のコーラス『ピエイエズ』が響く)
佐武 ステレオでもすごいですね! (前方の中央を指差して)いるいるここにいるって感じです。少し怖いぐらい(笑)。
阿部 次にサラウンド版を聴いてもらいますね。
(同じ曲が今度はサラウンドで再生される)
佐武 音が上にあがって、後ろまで広がっていくような感覚がありました。すご~い! 超感激です。やばい。ずっと聴いていたいですね。ぜんぜん違いますね!!!! 声も遅れて後ろに来ました。
阿部 あ~って上がって、いくでしょう? もう1曲聴いていただきましょうか。
(パイプオルガンとコーラスを組み合わせた曲『アーメン』が流れる)
佐武 教会行きたい(笑)。最高ですね!!
阿部 次にサラウンド版を聴いてもらいますね。
(同じ曲が今度はサラウンドで再生される)
佐武 (本当に驚いた顔で)えっ!! ぜんぜん違いますね! (上から音が降ってくると言っている意味が)やっと分かった!!!!!
阿部 これ、分かりやすいでしょう?
佐武 びっくり。こんなに違うんですか。教会にいました、あたし。人生ではじめての。すご~い!!! この場所ってすっごく暖かいんですけど、聴いているとひんやりと張り詰めているような感じがする。それと、オルガンを押したあとの空気がふっと抜ける感じとかも、すっごく伝わりました。
ていうか、みんなここに座ったほうがいいですよ!!!!
(スタッフ一同、席に着き再び再生が始まる)
佐武 耳の上でわーっとなる感じ。
スタッフ ……本当だ……すっご~い……(と、素の反応)。
佐武 超楽しい。やばいです。鳥肌立っちゃった。背中から音楽を聴くって初めての経験です。最高の体験をありがとうございました! これが第1弾ですか? 欲しい。そしてこの環境で聞きたい!
めっちゃ教会に来ている感じが味わえました。
阿部 収録した教会は麻布にあるんですが、響きが本当によくって、行ってすぐに「ここにしよう」って決めたんです。
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