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小音量で聴くなら十分な低域が出る1万円台の製品

逆転の発想? ボーズBTスピーカーがほぼモノラルでも良い理由

2014年12月20日 12時00分更新

文● 四本淑三、写真●篠原孝志(パシャ)

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実はステレオで聴いていなかったかも?

 でも、小型のBluetoothスピーカーを使い続けた経験がある方ならば、この仕様は納得できるのではないでしょうか。というのも、幅がせいぜい20cm程度のステレオ一体型スピーカーでは、ステレオならではの定位感や、空間の広がりを感じにくいからです。

 例えば、机に向かってPCを操作しながら、音楽を聴く状態をイメージしてください。顔とディスプレーまでの距離が50cmほどあったします。左右スピーカーと耳までの距離はそれぞれ正三角形の頂点にあるのが理想ですから、左右のスピーカーは50cmは離れていなければなりません。すると大抵のステレオ仕様のBluetoothスピーカーは、この条件に合致しません。

 私が普段使っているJawboneのMINI JAMBOXは幅154mm、音の良さで個人的に一目置いているソニーのSRS-X7で幅300mm。これは本体の幅なので左右スピーカーユニットの中心の幅はもっと狭くなります。そこで、どちらの製品もDSPを使って音場を拡張し、その物理的ハンデを克服する機能を持っています。その結果はおおむね満足できるものですが、それでもステレオ感を損なう理由がもうひとつあります。

 ステレオ一体型スピーカーは、PCを操作中のリスナーに正対して設置しづらいからです。スピーカーをリスナーの真正面に置こうとするなら、モニターの前がベスト。ですが、それではモニターが見えません。すると空いている空間はモニターの上だけ。となるとスタンドが必要ですが、なかなか都合の良いものはありません。

 結局のところ、スピーカーはPCの脇か、ステレオ音像を結びようもない離れた位置に置かれることになります。

(次ページでは、「“ほぼ”モノラルでも良い理由」

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