拙者の名はヒロオカ・ユースケ。このIT時代を愛刀1本で生きている浪人(という設定)。白飯に合う一番のおかずは納豆だと思っている。この連載“IT斬鉄剣”は、そんな拙者が様々な製品を実際に試し、誠に僭越ながら独断と偏見で斬っていく企画。
此度、拙者が斬るのはタカラトミーアーツの
“食の極み 魯山人納豆鉢"。
魯山人……? あの美食家で有名な北大路魯山人の事か!?
あの北大路魯山人の納豆鉢だと!?
魯山人といえば明治から昭和にかけ活躍した芸術家の一人であるが、その道の一つ、陶芸を始めた理由も『食器は料理の着物』という考えで作陶したいと始めたほど、食に対し強い拘りを持った人物だ。 そんな魯山人は
『納豆は糸を出せば出すほど、うまくなる』
という言葉を残している。
魯山人によると納豆の拵え方は、何も加えず、練るのが困難な程、硬く練り上げ、醤油を加え、糸が無くなるまで更に練るのが良いという。そして、その掻き混ぜる回数は424回にも上るのだ。
そんな魯山人が愛した納豆を拵える事ができる鉢という事なのだろうか? 信じられん……
いやはや、悔しいがよく出来ている
早速、使ってみるとしよう。まず納豆を入れ蓋を閉める。そしてハンドルに手を掛けるが、ここで思う事がある。400回以上も混ぜなければいけないのか、先は長い……。気を取り直し、まずは軽く回してみて……っ!!
鉢の中がすさまじく回転している!!
一体どういう仕組みなのだ? なんと!! ハンドルを一回転させると中の撹拌棒が2回転するではないか!! なるほど、これにより回数削減・時間短縮ができるのか。魯山人納豆鉢、侮れん……
ひたすら混ぜる! とにかく混ぜる! うおぉぉおぉぉおぉぉっっっ!! 無心になって混ぜる! ……ん? そういえば魯山人の教えでは、納豆を練るのが困難な程、硬く練り上あげたら、醤油を加え更に混ぜるとあったはずだが……。
納豆をそのまま入れると書いてあったので、それに従い未だに醤油を入れていないではないか。ふっ! 混ぜる事に囚われ醤油を加える事ができないとは、魯山人の名を語るには程遠いな!! 浅はかなりっ!!
っ!! なんと、扉が開いた!! な、何が起きたというのだ!? ん? ハンドルの付け根に何か書いて……【醤油】? ……はっ! なるほど、ここで醤油を加えろという事か!!
これなら誰でも最適な頃合いで醤油を加える事ができる。
いやはや、悔しいがよくできている。
醤油を加え再び混ぜる! とにかく混ぜる! うおぉぉおぉぉおぉぉぉぉぉっっっっっっっっっっ!!
っ!! 再び扉が開いた!! 今度は何だ!! 先程【醤油】と書かれていた箇所には……【完】!! こ、これは魯山人納豆が完成したという事か!!
っと、時間を見ると作り始めてから数分しか経っていないではないか。想像よりも遥かに短時間で完成していたようだ。
「食べごろ」が分かる窓付き
魯山人納豆鉢の特徴の1つがハンドルのふもとにそなえた「窓」。「始め」から始まり、まだまだ、極めよ、といったメッセージが表示される。既定の回数を混ぜると、表示が「完」と なり、毎回同じタイミングで極上の納豆を味わえるのだ。
コク、風味、旨味の全てが増した!!
……確かに完成したが、あくまで回数の話だ。これだけ簡単に拵えてしまったのだ、味のほうが疎かになっているに決まっている。回数こそ魯山人の教えに従っていたとしても、味が追いついていなければ魯山人納豆とは到底、言えないだろう。
まぁ大した味ではないだろうが、とにかく一口食べてみるか……。
む……?
おっ……?
これは……!
うっ、うっ、旨い!!
な、なんだこれは!!
コク、風味、旨味の全てが増し、口当たりが柔らかい。これほどまでとは……!!
納豆本来の味を楽しめる
常日頃から納豆を好み、色々な物を混ぜたり焼いたりしていた拙者だが、納豆の美味しさだけで、これ程までに完成された物になるとは……
今までの納豆人生は何だったのか……魯山人納豆鉢、感服つかまつった!!
まさに食の極み!!
納豆を掻き混ぜ続けるという面倒な作業を楽しく、楽に行う事ができ、納豆本来の味を楽しむ事ができる魯山人納豆鉢。
納豆が好きな者、懶な者は是非とも試してみるといい。
うぅ……また物欲を唆る物を斬ってしまった……
したらば、これにて御免!!
廣岡優介(ひろおかゆうすけ)
7月14日生まれ 東京都出身
スタイルキューブの若手男性声優企画【Jugend Stil】(ユーゲントシュティール)メンバー。声優としてPS3「フェアリーフェンサーエフ」、PS4「オメガクインテット」への出演のほか、毎週金曜日21時〜配信中のUstream番組「Jugend Stil週間定例報告」に出演中。特技は各携帯キャリアの販売スタッフ経験を活かした“携帯アドバイス”。
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