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「Dell World」で登壇、分社化などに揺れるHPやIBMを尻目に好調ぶりをアピール

株式非公開化から1年、マイケル・デルCEOが成果を語る

2014年11月07日 09時00分更新

文● 末岡洋子

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2000社への独自調査から見たITトレンドの「現実」

 エンタープライズITの市場トレンドとして、クラウド、モバイル、ビッグデータ、セキュリティ構築などが注目されている。Dellもこうしたトレンドに合わせ、戦略の柱として「変革(トランスフォーム)」「接続(コネクト)」「情報と通知(インフォーム)」「保護(プロテクト)」の4つを掲げている。

 デル氏が提案したのが「将来に向けたデータセンターの構築」だ。Dellの特徴である、標準化によるオープン、アジャイル、低コストを生かしたインフラ構築ということだ。

 デル氏は、第13世代のPowerEdgeサーバーを紹介した後、最新のコンバージドインフラ製品「Dell PowerEdge FX2」を発表した。昨年発表された「Dell PowerEdge VRTX」は主に中規模企業を対象としていていたが、FX2はより規模の大きな企業向けの製品となる。ラック当たりの処理能力は、競合するCisco UCSの130%という。

2Uサイズにコンピューティング、ストレージ、ネットワークを統合した最新のコンバージドインフラ「Dell PowerEdge FX2」

 セキュリティ、クラウド、モビリティ、ビックデータの受け入れは企業の成長にとって重要だと言われるが、実際の動向はどうなのか。Dellでは企業2000社以上を対象に、こうした技術の受け入れ状況などを調査した。Dell Worldで発表された調査結果によると、クラウド、モビリティ、ビックデータの受け入れにあたって「セキュリティ」が最大の阻害要因になっているのだという。

 「企業の多くが基本的なセキュリティリスクに対応できていない。セキュリティはビジネスにおいて優先事項であるべき。IT部門のポリシーでは不十分だ」

 実際、セキュリティ関連の取り組みに幹部レベルで関与しているとした企業はわずか28%にすぎないが、これらの8割が、自社のセキュリティについては「自信がある」と回答しているという。

 調査結果からは、このほかにも「正しいクラウドソリューションを選択することは簡単ではない」こともわかったという。デル氏によれば「58%がITパートナーの支援を必要としている」という。

 モビリティについて、デル氏は「人々の利用は加速している一方で、企業のモビリティ戦略がこの成長に追いついていない」と指摘した。調査結果によると、BYODポリシーがあると回答した企業は32%。ここでもセキュリティ侵害に対する懸念が高く、セキュリティ対策を妥協せず導入を進めることが課題となっている。

 ビッグデータについては、「データをどのように活用するのかをまだ見いだしていない企業が多い」。事実、61%の企業がビッグデータを収集しているが、それを「意味のある情報に変えられている」企業は39%にとどまっている。ただし、ビッグデータの潜在的な価値は高く、活用できている企業の年間成長率は、活用できていない企業の2倍に及ぶという。

 デル氏はこのように、市場トレンドと受け入れのギャップ、その課題を指摘した後、「これらを通じて企業がトランスフォーム(変革)するための支援が必要であり、これは(Dellにとって)大きなチャンスだ」と述べた。Dellでは、セキュリティ、モビリティ、クラウド、ビッグデータの各分野を、ソフトウェアとハードウェア、サービスを通じて支援していく方針だ。

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