PHA-3と組み合わせて
MDR-Z7のバランス接続を試してみた!
さっそく、MDR-Z7とPHA-3を接続してバランス接続の音を聴いてみよう。接続用のコードは、別売の「MUC-B20BL1」(10月18日発売 実売価格2万5000円前後)。
ヘッドホン用の交換ケーブルはかなり高価な製品もあるが、このコードもなかなかのお値段。その理由は、この製品がオーディオケーブルの有名メーカーであるKIMBER KABLEとの共同開発であるため。
高音質伝送のための線材の選択や独自の構造を採用し、より原音に忠実な高音質を目指しているというわけだ。
ちなみにKIMBER KABLEと共同開発されたコードには、このほかアンバランス接続用として、標準プラグタイプの3mコード「MUC-B30UM1」(10月18日発売 実売価格2万5000円前後)、ステレオミニプラグタイプの1.2mコード「MUC-B12SM1」(10月18日発売 同2万3000円前後)も用意されている。
まずはPHA-3とMDR-Z7をアンバランス接続で聴いてみたが、バランスのいいまとまりと、自然できめ細かな再現で最上位モデルにふさわしい品位の高い音がより鮮度を増し、鮮明でステレオ音場の広がりもより拡大された。
それがバランス接続になると、ステレオ音場がさらに拡大。広がって薄まってしまうのではなく、鮮度の高い音色で個々の音像がピシっと定位する。
クラシックなどでは多くの楽器が整然と配置されている様子が目に見えるような立体的な描写だ。
もともと、MDR-Z7は大口径の振動板を使ったこともあり、音に余裕があるというか、スピーカーの振動板が空気を揺らし、それが耳に入ってくるという空間を伴った音の響きを感じるが、そのよさがより明確に感じられた。
後で紹介するPHA-3の音質にも感心するが、バランス接続でのステージ感や個々の音の粒立ち感は、ヘッドホンで聴いている感覚とはひと味違うものだと思った。
力強さが増強!
MDR-1Aでバランス接続を試す
続いては、ヘッドホンをMDR-1Aに交換して聴いてみる。こちらも専用のコードが必要。今回は2mのバランス接続コード「MUC-S20BL1」(10月18日発売 実売価格9000円前後)を用意した。
こちらはKIMBER KABLEとの共同開発ではなく、ソニー独自技術のみで開発されたもの。とはいえ、信号線の編み方はソニー独自のツイストペア構造とし、太さの異なる複数の線材を縒り合わせた線材とするなど、十分に音質を吟味したものとなっている。
こちらにも同様の線材を使用したアンバランス用の「MUC-S30UM1」(3m 標準プラグ 10月18日発売 実売価格9000円前後)と、「MUC-S12SM1」(1.2m ステレオミニプラグ 10月18日発売 同6600円前後)がある。
PHA-3とのアンバランス接続は、特徴的な低音のエネルギー感がさらに引き出され、力強さと重みや深みが増してくる。
比較的落ち着いたトーンと思われた中高域はキレ味や鮮度の高さが加わることで、低音の力感にふさわしいパワー感が得られた。MDR-1Aのパワフルな音はそのままに音のバランスが整い、明らかに1ランク上のサウンドになる。
これがバランス接続になると、エネルギー感たっぷりの音になる。粒立ちがよくなり、ステレオ音場の奥行き感や見通しのよさが出てくる。
聴感上はほとんど気付かなかったが、アンバランス接続ではパワフルな音の傾向のため多少個々の音が混濁していたようだ。クラシックなどを聴くと、空間の広さと深さがしっかりと出て、しかも持ち前のパワフルさもあって音像がぶ厚い。実に聴き応えのある音で、MDR-1Aとの相性もぴったりだと感じた。
次ページへ続く、「音の鮮度が向上する「PHA-3」」
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