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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第172回

一足先に個人輸入! Surface Pro 3用ドックを活用する技

2014年09月03日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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フルHD6画面のメイン端末として利用できるか?

 Surface Pro 3は「これさえあれば、何もいらない」というキャッチコピーを謳っており、確かに個人で楽しむ分には同感。ただし、ハードに使うメイン端末としてはどうだろうか。最初は「そうは言っても携帯端末だし」と思っていたが、なかなかのパフォーマンス。ちょうどメインPCのストレージが故障したので、代替できるか試してみた。

 まず、筆者の環境で重要なのが、フルHDで6画面出力できるのか、という点。ドッキングステーションにミニディスプレーポートがあるものの、当然足りない。そこで、アイ・オー・データ機器の「USBグラフィック(USB-RGB3/H)」を利用することにした。

 2010年の「第9回 6画面マルチディスプレーの巨大デスクトップを構築する技」では6画面中2画面がUSBディスプレーアダプタだったが、今回は6面全部にチャレンジ。Surface Pro 3のディスプレーもあるので、7画面出力だ。

 「USBグラフィック(USB-RGB3/H)」はUSBポートから電源を取るので、アダプター付きのUSBハブを利用した。一番利用している中央のディスプレーのみUSB3.0接続で、それ以外はUSB2.0のハブに接続することに。まずはデバイスドライバーをインストールし、1つずつ接続していく。適当に差しまくるとエラーになるので慎重に作業する。

 見事認識。ディスプレーの表示を拡張表示にして、表示位置を調整すれば完了。見事、フルHD6画面+Surface Pro 3のディスプレー、合わせて7画面のマルチディスプレー環境が完成した。USBディスプレーアダプタはCOPPやHDCP機能に対応していないので、地デジやBDビデオは再生できない。とはいえ、YouTubeの高解像度動画やDVDビデオは問題なく再生できる。ディスプレーをまたいで拡大した状態でも、再生可能。駒落ちするようなこともない。

 USBディスプレーアダプタに接続したディスプレーをメインに設定することも可能。Windowsにサインインする前からメインディスプレーに表示されるようになる。

「USBグラフィック(USB-RGB3/H)」。直販価格は9236円

HDMIケーブルを接続する。USBは給電も兼ねている

ドライバーをインストールする。くれぐれも機器をつなぐ前に作業すること

1台ずつ接続していく

認識完了

ディスプレーの設定で、実際の表示位置に設定すれば完了

7画面の高解像度マルチディスプレー環境が完成した!

USBデバイスは接続できる台数が限られる?

 マルチディスプレー環境が完成したので、次はキーボードやマウス、光学ドライブ、バックアップ用のHDD、ドキュメントスキャナー、複合機など、普段利用しているデバイスをすべて接続してみた。ところが、適当につないでいたら「USBコントローラーのリソースが足りません」と冷や汗もののエラーが出た。

 「夏休み終了直前! デジタル機器自由研究 ― 第5回 USBの限界に挑む! 規格上の接続数127台は可能か?」で試したように、PCのUSB端子1つには接続できるハブの数が決まっている。Surface Pro 3のUSB端子1つにすべてのポートがぶら下がっているので、接続できるUSBデバイスの数はそれほど多くないのだ。

 いろいろと試したところ、10ポートのUSBハブ、USBディスプレーアダプタ「USB-RGB3/H」を6台、HKKBキーボード、マウス、ドキュメントスキャナー「S1500」、光学ドライブ、外付けHDDまでが同時に接続できた。ここにUSBヘッドセットをつなげるとエラーが出る。エラー画面を閉じてしまえば、ヘッドセットも利用できるのだが、このあたりが限界だろう。

調子に乗ってUSB機器をつなげていたら、「USBコントローラーのリソースが足りません」とエラーが出た

13~14台のUSB機器を接続すると、エラーが出始める。組み合わせによっては、出ないこともある

 環境にもよるが、何十台もつなげるのは難しそうだ。筆者の場合は、USB接続のHDDアダプタやメモリーカードリーダーなどは必要に応じて接続する必要がありそうだ。とはいえ、microSDカードリーダーやウェブカメラはSurface Pro 3本体を利用すればいいので、なんとかなる。

 さすがに、デスクトップPCよりは処理能力は劣るので、今すぐ乗り換えるというわけにはいかない。しかし、遜色ないレベルで利用できるので、トラブル時には文句なしに代替マシンとして活用できる。しかも、消費電力は10分の1以下。次にメインマシンが壊れたら本格的に移行しようか検討中だ。

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筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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