教材としてWindows Phoneを参加者全員に配布
そして、最大のサプライズが、日本ではまだ発売していないWindows Phoneを参加者全員に配布したことだ。
それを発表したときの会場の反応は、この日一番の盛り上がり。歓声とともに、大きな拍手が沸いた。
アプリ開発のための「教材」という名目で配布されたこのWindows Phoneは、マイクロソフトが買収したノキアの製品。「とにかくかき集めた」(伊藤執行役)というように、参加者向けに1000台用意したWindows Phoneは、「Nokia Lumia 1520」「Lumia 1320」「Lumia 920」「Lumia 820」の4機種となった。価格や機能にかなり差がある4機種に分散したものの、これは参加者全員に配布するために奮闘したという成果の表れでもある。
実際、調達にあたっては、樋口社長自らが中国やシンガポールの現地法人と掛け合い、参加者分の数を確保するためにギリギリまで交渉を続けたという。
ただ、日本では発売されていない製品であり、利用するにはさまざまな制限がある。
電波を発信しないことが前提となる機器だけに、フライトモードをオンに、Wi-FiやBluetoothをオフにすることを徹底。そして、転売/譲渡も禁止だ。
「何もいいませんが、皆さん、わかっていますよね」と、壇上の伊藤執行役が日本の電波法などを遵守した使用環境に限定することを訴え、それに対して「参加者が一斉にうなずいているのが壇上からわかった」と伊藤執行役は笑う。
「Windows Phone」国内投入への感触
こうしてみると、数々のサプライズがある中で、初日の基調講演では、パーソナルアシスタント「Cortana」(コルタナ)や、Word Flow(ワードフロー)キーボードといったWindows Phoneならではの機能についても多くの時間が割かれ、後半ではWindows Phoneの特徴についても説明が行なわれた。そして最後には、Windows Phoneの配布である。まさにWindows Phoneにフォーカスした内容になったといえる。
樋口社長は、「日本で発売していないWindows Phoneのデモを行なってどうするんだ、という声もあるだろうが」と自虐的な言葉で会場を沸かしたあと、「今日は、Windows Phoneに関して発表することは何もない。ただし、早く日本には持ってきたい。それに向けてがんばっている。引き続きお待ちいただきたいということだけはお伝えしたい」とした。
しかし、多くの参加者が「Windows Phoneの国内投入が間近になってきた」という感触を持ったのではないだろうか。
その日が来るのはいつか。もう少しであることを願いつつ、投入の日を待ちたい。

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