USBストレージが接続可能な多機能ルーターの基本型
プリンストン「PTW-WMS1」
ハードディスクやメモリーを接続できるUSB端子を搭載し、スマホやPCからデータを読み書きできるWi-Fiルーター。ハードディスクは2TBまで、USBメモリーは64GBまでの製品を接続可能となっている。下記の2製品とは違い、バッテリーを内蔵していないのでPCやスマホ用のACアダプターから別途給電が必要。給電専用のMicro-USB端子は、ストレージ接続用の端子とは別に備えている。
Wi-Fiルーター機能は充実していて、SSIDやセキュリティーキーの変更といった基本的なものだけでなく、SSIDステルス設定やWi-Fi側のDHCPサーバーの開始アドレス指定などができる。Wi-Fiの中継機として利用する、リピーターとして動作モードも備えていて、ハードウェアスイッチで動作を切り替えられる点も◎。
特筆すべきは、ポータブルタイプのWi-FiルーターにはめずらしいダイナミックDNSサービスに対応しているところ。「DynDNS.org」「3322.org」のいずれかのを選択可能だ。スマホからストレージに接続するには、専用のアプリを利用する。
スマホからのファイルのアップロードも可能だが、iOSの場合はカメラロール内の画像や動画しか転送できない。Androidはその他のファイルもアップ可能だ。ファイルのダウンロードについては、両OSとも問題なく行える。Samba接続を用いて、PC/Macからストレージ内のファイルにアクセスすることもできる。
モバイルバッテリー内蔵ながら100g以下
加賀ハイテック「MBSD-SURP02/BK」
本体駆動のみでの駆動やスマホへの給電ができる2000mAhのバッテリーに加え、SDカードスロットとストレージ用のUSB端子を備えたWi-Fiルーター。
バッテリーは1Aまでの出力が可能で、iPhoneやNexus 5といったスマホを高速に充電可能。ただし、Galaxy SやNexus 7(2012)の高速充電には対応しない。ストレージはSDカードとUSBメモリーの同時利用も可能。Wi-Fiルーター機能については、SSIDやセキュリティーキーの変更が可能。
注意しておきたいのは、購入直後の状態ではWi-Fiのセキュリティーがオフになっている点。だれからでもアクセスできてしまうので、最初にWEPやWPA2などのセキュリティー設定をしておくこと。その他の設定項目はチャンネル帯域の指定程度で、詳細なセキュリティーコントロールはできない。WAN側については、DHCP以外に静的IPとPPPoEの設定が可能だった。
ストレージの共有については、他機種同様、NTFSを含むFATやexFATといった基本的なフォーマットに対応。初期状態ではSamba接続がオフになっているので、PCから利用する場合はオンにすることを忘れずに。SDカードスロットは標準サイズのSDカードのみで、SDXC 128GBまでの容量に対応する。
スマホからのアクセスは、iOS/Android用のアプリを使う。アップロード/ダウンロードが可能だが、iOSのアップロードに関してはカメラロールのみだった。
給電なしでも6時間30分の連続使用可能なバッテリー内蔵機!
アイ・オ−・データ機器「WFS-SR01」
スマホへの給電やルーター稼働用として使えるバッテリーを搭載。SDカードスロットに加えて、USBメモリーやポータブルハードディスクがつながるUSB端子を備え、スマホやPCから読み書きできるワイヤレスストレージとして使えるWi-Fiルーター。
バッテリー出力は加賀ハイテックのMBSD-SURP02/BKと同じく1Aとなり、Nexus 7(2012)などの高速充電には対応しない。本体重量は120gと他製品にくらべて重いが、その分スタミナ性能は高い。バッテリーを本体駆動用として使った場合、スタンバイで9時間、USBハードディスクとSDカードの同時利用しての連続アクセスでも3時間と長時間の利用が可能だ。
内蔵のソフトウェアは、プリンストンのPTW-WMS1とまったく同じ。PTW-WMS1で便利だったWi-Fiリピーターといった便利機能を利用できるのはうれしい。しかしながら、切り替えスイッチなどは用意されておらず、ルーターとリピーターのモードを変更するにはブラウザーから設定画面を開く必要がある。Wi-Fiルーターとしては、SSIDステルス、ダイナミックDNSといった高度な設定が行えるため、出張や旅行時の用途で困ることはないだろう。
その他特筆すべき点としては、本体の発熱が少ないところ。製品特性上、カバンの中に入れての利用機会が多くなることだろうが、そうした環境でもほんのり暖かくなるのみで放熱がしっかり行われている。そのため、屋外でも安心して使うことができそうだ。