昨年のリリースから開発者キットが5万超え出荷、しかもFacebookが買収!
Oculus RiftでVRのススメ 日本でもアキバで体験できるぞ
2014年03月29日 18時00分更新
毎年、さまざまなトレンドが持ち上がるIT業界だが、ここ数年で大きく注目を集めそうなのが、バーチャルリアリティー(VR、仮想現実)の分野だろう。ヘッドマウントディスプレー(HMD)をかぶって、3DCGや実写映像などの仮想世界に入り込む体験ができるものになる。
その火付け役とといえば、VR対応HMDの「Oculus Rift」(オキュラスリフト)になる。日本時間の26日、開発企業である米ベンチャーのOculus VRが、Facebookに約20億ドル(2000億円)で買収されたニュースで、一般的にも脚光を浴びたのでご存知の方も多いはず(関連記事)。
製品自体はまだ開発版しか出ておらず、基本的には直販サイトから「海外おとりよせ」するしかない。「でも気になる! 日本で体験できる場所ないの!?」という方々のために、本記事ではOculus Riftの魅力をがっつり紹介していきましょう!
Oculus Rift
現在は製品版ではなく、開発者向けキットを発売中。初代の開発版(Developer Kit 1)は、解像度が1280×800ドットの液晶パネルを採用し、HDMIやDVIのケーブルでパソコンにつないで使う。この3月には、内蔵ディスプレーを有機EL/1920×1080ドットに強化し、外部のカメラを使ってユーザーの位置まで特定できるようになった2世代目(Developer Kit 2)が発表された。2014年7月に出荷予定だ。
次元の壁を越えられる革命的なデバイス
アニメやゲームの世界に入り込んでみたい──。Oculus Riftは、子供の頃に描いたそんな夢をかなえてくれるかもしれない、革新的なHMDになる。注目ポイントは、以下の3点に集約できる。
- 視界を全部覆う広い視野角
- センサーで頭の向きを検知
- 300ドルと価格が安い
何と言ってもスゴいのは、その没入感だ。
一般的なHMDは平面の映像を見ることが前提で、装着すると例えば80インチといったスクリーンが目の前に現れる。これに対してOculus Riftは、対角110度という広い視野角で、身につけた人の視界を映像ですべて覆ってしまうのが大きく異なる。
仕組みとしては、PCと同じ画面をOculus Riftが内蔵するディスプレーパネルにミラーリング表示。右目用/左目用がひとつになった映像を映し出して、2つの魚眼のようなレンズを通して見ることで視界がジャックされ、まるで映像の世界に入り込んだような体験ができるのだ。
さらにすごいのは、ジャイロ・加速度・地磁気といった内蔵センサーで頭の方向を検知して、向けた視線にあわせて内容を切り替えてくれる(ヘッドトラッキング)点。例えばFPSゲームでは、コントローラーを押してディスプレーに映る視点を切り替えるが、Oculus Riftなら頭を左右に振るだけで、見たい方向を自然にチェックできる。
従来、同種の機器は非常に高額だったが、Oculus Riftは開発キットで300ドルという低価格を実現。遊べるデバイスが安価に手に入るとあって、多くのソフト開発者が飛びつき、昨年のリリースから5万台を超える開発者キットが出荷されて、日本でもさまざまなとがったコンテンツが生まれてきたのだ。
