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360度動画を撮れる「Freedom360」を解説

Oculus Riftが観光を育てる!? 「オキュ旅」Day2レポート

2014年02月28日 17時15分更新

文● 広田稔(@kawauso3

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ヘッドマウントディスプレーとヘッドホンを付けて生中継を見ると、ベランダの冊が立体的に見えつつ「あれが宮古の海だよ」といった声が左から聞こえてくる──。「オキュ旅」ではそんな遠隔旅行ができます

 2月26〜28日、沖縄県の宮古島にてヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift」(オキュラスリフト)向けに2種類の映像を撮る「オキュ旅」というプロジェクトが行なわれている。事前記事初日に続いて、2日目の現地の様子をレポートしていこう。

「オデコビジョン」と呼ばれる2つレンズが付いたカメラを頭部に装着して生中継

Oculus Riftを着けて見ると、まるで旅先にいるように立体的に見えるという試みです

冒頭に出ていたマネキンの頭は、バイノーラル録音用のダミーヘッド。ヘッドホンを付けて聞くと、音が鳴る位置や広がりが感じられます

 初日のレポートでも触れたように、オキュ旅では、現地の様子を立体視映像&バイノーラル録音でネット配信する番組と、リアルタイムではないが360度自由に方向を選びながら見られる映像の2種類を収録している。

 映像が立体的に見えて音場が感じられたり、360度任意の方向を向けるということは、写真や動画で見るより現地に来た感が非常に強くなる。旅行中、せっかく景色の開けた場所で写真を撮ったのに、思ったほど広がりが出なかった経験をしたことがある人も多いはず。広角レンズやパノラマ撮影を使う手もあるが、その場に立っている感覚までは伝わりにくい。そこで視界を全部覆って、頭の方向に合わせて映像を切り替えてくれるOculus Riftの出番というわけだ。

 Oculus Rift専用の映像を撮るということは、個人の思い出を残すだけでなく、有名人と一緒に旅行する体験をパッケージにして再現することも可能だ。地方自治体が見てほしいスポットを撮っておいて観光名所の案内に使ったり、体が不自由で旅行できない高齢者向けにバーチャル旅行を提供する用途にも役立つだろう。

 今はまだ始まったばかりの試みのためいろいろな点で荒いが、ハードウェアやソフトウェアがこなれてより扱いが手軽になれば、多くの人が2Dではなく3Dで映像を記録する時代が来るはず。Oculus Riftが秘めた可能性をぐぐっと広げてくれるのが、このオキュ旅なのだ。

地図をタッチで選んで、ヘッドマウントディスプレーで名所を体験できるようなコンテンツも考えられる


これが360度撮影の装備だっ!

 初日のレポートでは、ネット配信用の機材を紹介したが、2日目は360度撮影のシステムを取り上げていこう。複数台のレンズを組み合わせて360度の映像を撮れるシステムはいくつかあるが、今回はHOME360°の「Freedom360」を利用している。6台の小型カメラ(GoPro)を六面体に組み合わせたもので、各端末で撮影した映像をパソコンの後処理で結合して360度映像に仕上げる。実際に撮った映像は製品ページにあるので、ぜひチェックしてみてほしい。Oculus Riftを使えば、撮影者が撮ったときに向いていない方向でも頭を振って見られる。

Freedom360。6台のカメラは別々の向きにねじ止めされており、一脚の先端に取り付けて使う

GoPro用のリモコンで6台の録画開始を一気に指示できる

駆動時間は30分ほどなので、出先でも充電できるようにモバイルバッテリーが必須だ。2台に分けることで、各3本のUSBケーブルを混線させずに楽に差せる

 撮影方法としては、まずは6台のカメラの無線LANをオン。リモコンの電源を入れるとカメラと通信して、台数の確認が始まる。6台を認識したらリモコンの録画ボタンを押して、ランプで動作を確認。あとは一脚を持ち、回転や伸縮して、後処理のきっかけをつくるために周囲の特徴的な風景を納めて、撮影をスタートすればいい。なお、この動画作成には、GLOBAL SYSTEMの中谷孔明さんが機材で、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの伊藤周さんが画像合成でそれぞれ協力している。

セグウェイでは、ハンドルの柄にテープで固定して撮影していた

初日でかなり面白い絵が撮れたため、2日目もセグウェイの撮影を敢行

オデコビジョンは、ヘッドバンドではなくヘルメットにテープで固定する方式に変更。入念に準備やチェックするなど、初日の経験を生かしている

セグウェイの撮影風景をさらに撮ってみました

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