「安全だから、不便でも我慢して」はもう通用しない時代
通信手段にインターネットを採用したことで、決済スピードが高速化し、店舗側の通信コストも大きく削減された。そして何よりも「端末が決済以外のデータも扱えるようになったことが非常に大きい」と鳴川氏は語る。
「従来の決済端末は決済処理しかできない。だがこれからの店舗を考えると、単機能の端末にスペースを与えてくれることはありえないだろう。インターネットにつながることで、たとえば操作マニュアルや広告をストリーミングビデオで流すようなこと、J-Mups以外のアプリやサイトに接続して使うようなことも考えられる」(鳴川氏)
さらに、「決済データをインターネット上に流しても問題ない」という社会的コンセンサスが取れれば、自動販売機の決済手段が拡充されたり、カードを出さなくてもゲートを通るだけで決済が完了する“人間ETC”のようなものができたりもするだろうと将来像を語った。
「決済システムについては、古くから『安全ならばそれでいい』と考えられてきたが、もうそれでは済まない時代になってきた。『安全だから、多少不便でも我慢して』とはもう言えない。われわれのような者が先頭に立ち、インターネットを活用してさらに便利にしていかなければならない」(鳴川氏)
