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セキュリティ分野での企業買収、シスコルーターへの技術統合も

拡張するアカマイのソリューション、幹部が最新動向を語る

2014年03月04日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 アカマイ・テクノロジーズは2月28日、都内でユーザー企業向けイベント「Akamai Enterprise Conference 2014」を開催した。出席した米アカマイ 製品・開発プレジデントのリック・マッコーネル(Rick McConnell)氏は、モバイル対応のコンテンツ/メディア配信、Webセキュリティといった、同社ソリューション群の最新動向を紹介した。

米アカマイ 製品・開発プレジデントのリック・マッコーネル氏

アカマイはエンドユーザーから「20ミリ秒以下」の距離にいる

 アカマイは、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)事業者の“老舗”として知られる。しかし近年では、世界中に配置された15万台以上のサーバーとオーバーレイネットワークで構成される「Akamai Intelligent Platform」を基盤とした、より幅広いソリューション群の提供にも注力している。

アカマイでは、Intelligent Platform上で5つのソリューション群を提供している。これらは「Lunar Control Center」ポータルを通じて一元的に管理や監視、設定ができる

 Intelligent Platformでは、世界2000以上の拠点(インターネットエッジ)にサーバーを配置している。マッコーネル氏によれば、これにより「エンドユーザーの9割が、20ミリ秒以下のレイテンシで」到達できる距離に、アカマイのプラットフォームが常に存在していることを意味する。

 「アカマイのプロダクトビジョンを一言で言えば、『(あらゆるデバイスが常時接続されている)ハイパーコネクテッドな世界において、ユーザー体験を変えていくこと』。重要なのはエンドユーザーを中心に考えることだ。インターネットを利用するエンドユーザーがどこにいても、どんなデバイスでも、アカマイを介してより良いユーザー体験が得られる」(マッコーネル氏)

プラットフォームの「セルフサービス化」と「オープン化」を促進

 マッコーネル氏は4つのソリューション群を取り上げ、それぞれの領域における最新の取り組みを紹介した。

 現在の主力ソリューションである「メディア&デリバリ」や「Webエクスペリエンス」の領域では、トラフィック量の急拡大やモバイルデバイスの普及、より厳しさを増すエンドユーザー要求などを背景に、アカマイではプラットフォームの整備とスケール拡大の取り組みを続けていると述べた。「アカマイは、ユーザー経験の品質を担保することをお約束する」(マッコーネル氏)。

 Webエクスペリエンス領域の取り組みに関連して、マッコーネル氏はIntelligent Platformの「セルフサービス化」や「オープン化」にも言及した。アカマイではユーザーに対し「Lunar Control Center」というポータル画面を提供しており、ユーザーはこのポータルを通じて自ら設定変更や監視ができる。「昨年5月の公開以来、Lunarのプロパティマネージャーを利用して自ら設定を行う企業は、すでに1000社以上に上っている」(同氏)。

アカマイでは昨年5月から、ユーザーの“セルフサービスポータル”Lunar Control Centerを提供

 さらにアカマイでは、Intelligent Platform APIのベータ公開も開始しており、設定/レポート/課金など、Lunarポータルと同等の機能を持つアプリケーションを自ら開発することもできると紹介された。

開発者向けサイトでアカマイAPIのベータ公開も

(→次ページ、DDoS攻撃対策技術の企業買収、シスコルーターへの技術組み込みも)

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