
本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
ついに「FaceTimeオーディオ」がMacでも
OS X Mavericksの最新アップデート「OS X 10.9.2」が公開された。2013年12月に公開されたOS X 10.9.1は、Mavericksリリース後最初のアップデートということもあり、主に不具合の修正を意図した内容だったが、今回は注目すべき新機能も用意されている。
そのひとつが、「FaceTimeオーディオ」のサポートだ。iOS 7で初めてお目見えしたこの機能、映像と音声のセットでなければ利用できなかった従来のFaceTimeから音声を独立させたもの。これで電話会社との契約の有無に関係なく、FaceTimeを利用した音声通話が可能となった。当コラムも第133回「アップル、iOS 7「FaceTimeオーディオ」の狙いとは?」で紹介しているが、高効率のオーディオコーデック「AAC-ELD」による音声はクリアで聞き取りやすく、遅延も少ない。
FaceTimeオーディオがMacでサポートされたということは、Apple IDを必須とするデバイスのオーナーであれば、地理的条件や時間帯を問わず無料で音声通話が可能になったことを意味する。音声通話の品質に優れ、割込通話にも対応し、iPhoneでは『電話』アプリから発信できることもあわせると、Apple ID保持者にとっての“定番VoIPツール”と認められる条件は整ったといっていいはず。
試しに、Macで利用しているアカウントをiPhone(iOS 7.0.6)からFaceTimeオーディオで呼び出したところ、自動的にFaceTimeが起動するとともに着信を知らせるアラーム音が。グリーンの「応答」ボタンをクリックすれば、Macの内蔵マイクを利用した音声通話が始まる仕組みだ。マイクが入力した音の大きさを表すインジケータが表示されることを除けば、iOS版FaceTimeとの大きな違いは認められない。赤い「拒否」ボタンをクリックすると1/15/60分後に通知できるなど、都合の悪いときに着信しない仕組みも用意されている。
FaceTimeオーディオのサポートにあわせ、インターフェースにも若干の変更が加えられた。連絡先一覧には、カメラボタンのほかに受話器ボタンが用意され、これをクリックすればFaceTimeオーディオで発信できる。個人の詳細情報を表示すると「FaceTimeオーディオ」ボタンが表示されるので、これをクリックしてもいい。
ただし、相手がApple IDを持つかどうかにかかわらず表示されるため、むやみにクリックしても「○○○とFaceTimeできません」と表示されるのがオチ。「メッセージ」にはiMessageで通信できる相手かどうか判定する機能があるだけに、FaceTimeオーディオで通話できない相手はディム表示(グレー表示)するなどの除外機能を設けてほしいところだ。

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