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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第154回

iPhone 5sを全世界対応衛星電話として活用する技

2013年12月04日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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データ通信速度は約30kbps! ツイートが限界か

 パケットデータ通信に対応しているのも大きな特徴。ただし、2円/1KBの料金が発生する。とはいえ、接続には一手間かかる。接続しているコネクターではなく、無線LANを経由して通信するのだ。要は202THをモバイルルーターとして利用する仕組み。近くにいるなら、ほかの端末からでも接続できる。PCの場合は、USB接続でもテザリング接続が使える。

 スペック表では、下り最大60kbps、上り最大15kbpsとなっている。メガではなく、キロなので相当遅い。実際に試したところ、実はほとんど利用できなかった。

 Google検索はできるのだが、その先の普通のホームページが読み込めない。ツイッターやメールアプリも読み込み状態が続き、そのうちタイムアウトしてしまう。スピード計測アプリの多くも動作しないが、唯一動作した「XTREME SPEEDTEST」で平均ダウンロード速度31kbpsとなった。しかし、それでも上り速度は計測できなかった。

 アンテナ感度が最高の状態で、時間をかければテキストベースのやりとりはできるかもしれない。それでも、山頂から撮影した写真を送信するといった使い方はできないだろう。

「SatSleeve」アプリの「設定」から「Wi-Fiルーター機能」を有効にする。確認画面が出たらOKをタップ

SSIDとパスワードを確認。変更もできる

iPhone 5sのWi-Fi設定から接続する

「XTREME SPEEDTEST」で計測したところ、平均31kbps、最高36kbpsだった

 SMSであれば、電話回線を利用してメッセージをやりとりするので問題なく利用できる。UIは一般的なアプリと同じなので、迷わず操作できるだろう。送り返す際は、「+88216」の後に端末の電話番号を入力する必要がある。衛星電話なので、国番号などでは通じないのだ。

「メッセージ」の新規作成ボタンをタップし、SMSを送信できる

SMSを送信できた

緊急時のSOSを発信する

 緊急時には、「緊急電話」をタップし、警察や海上保安庁に即連絡できる。消防や救急の項目もあるのだが、こちらは東京都でしか利用できないのであまり意味がない。

 202THは、iPhone 5sなしでも利用することができる。下面のロックを解除すると、iPhone 5sをホールドしているジャケットが外れ、SOSボタンが現れる。このボタンを押すと、あらかじめ設定してある電話番号に発信する。初期設定では、海上保安本部や運用指令センターにつながるようになっている。また、この状態で着信があると、着信音は鳴らないが本体が振動するので、SOSボタンを押すと電話を受けられる。

「緊急電話」をタップすると、候補がポップアップする

「設定」の「電話」でSOSナンバーを設定できる

ジャケットを外すと、SOSボタンが現れる

携帯電話の電波が届かないところでは心強い

 202THは南西の空が見えていれば、通話に関してはまったく問題なく利用できる。アウトドアや海外旅行(行き先の電波関連法規の確認が必要)が趣味であれば、便利に活用できるだろう。何より、従来の衛星電話と比べて格段に安いのがうれしいところ。これまでコストの面で見送っていた人も検討してはいかがだろうか。

地球の3分の2が圏内というのは心強い


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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