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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第154回

iPhone 5sを全世界対応衛星電話として活用する技

2013年12月04日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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 山登りをしたり、島へ移動するとどのキャリアも電波が通じなくなるところがある。そんな所でも通信できるのが、衛星携帯電話だ。一昔前は高嶺の花だったが、ソフトバンクの「iPhone 5s」と「SoftBank 202TH」を組み合わせれば、1分40円~で通話できる。今回は、iPhone 5sを衛星電話として活用するワザを紹介しよう。

iPhone 5sにジャケットを装着すれば、衛星電話に早変わり!

「SoftBank 202TH」でiPhone 5sを衛星対応に!

 2013年9月に「202TH」が発売された。iPhone 5を装着することで衛星電話を利用できるiPhoneケースのような端末だ。ソフトバンクのホームページでは対応機種はiPhone 5のみになっているが、ベース端末を販売しているメーカーのホームページでは「Thuraya SatSleeve」の対応端末としてiPhone 5sも記載されている。実際、今回紹介するようにiPhone 5sでも利用できた。

 202THはSIMやバッテリーを搭載する衛星携帯電話だ。通信や通話のためにiPhone 5/5sを利用するが、緊急時はSOSボタンを押すことで単体でも発着信できる。パケット通信にも対応しており、砂漠のど真ん中でインターネットに接続することも可能だ。対応エリアは欧州や中東、アフリカ、オーストラリアなど140ヵ国を網羅。北南米やアフリカ大陸の南端などでは利用できない。また、電波天文観測所の天体観測に影響を与える可能性があるため、電波法に則り、群馬県などの一部の地域で利用が制限されている。とはいえ、人命救助の場合は利用してもよいことになっている。サイズは幅69×高さ142×厚さ31mm、重量は227g。iPhone 5sと合わせると339gとなるが、それほど重く感じない。

衛星電話端末の「SoftBank 202TH」

コネクターに差し込むようにiPhone 5sを装着する

端末は実質タダ!
月額料金は4900円で想像より安い

 衛星を使って通信するなど、いったいいくらかかるんだ、と思われるだろうが、意外と安い。「衛星電話バリュープラン」では、基本使用料が月額4900円、通話料は160円/分だ。1000円分の無料通信が含まれているので、気軽に利用できる。SMSの送信は70円/通、データ通信量は2円/1Kバイトと、一昔前の海外通信料金よりも安いくらいだ。とはいえ、こちらは一般的なスマホ契約と同様、2年縛りが付いており、途中解約は解除料の9975円が発生してしまう。

 山や海に出かけるなど、旅行時のみに利用するなら「衛星電話プラン」を選んでもいいだろう。こちらは、通話料や通信料は同様で、月額基本料金が9800円となる。逆に、頻繁に利用するという人なら、「衛星通信料割引オプション」を付けたい。月額2000円プラスで、国内初の通話料が160円/分から40円/分に大幅割引。SMSも国内初なら70円から20円/通になる。月に60分間通話するとすると、25分ぶんが無料になるので、4900円+2000円+40円×35分で、8300円。そんなに高く感じないだろう。

 端末料金は8万1600円だが、「衛星電話バリュープラン」に入るのであれば、24回分割で3400円。月月割で同額が割り引かれるので、実質タダでゲットできる。

衛星電話バリュープランの料金例

202THの本体はスイッチが二つだけとシンプル

 背面のバッテリーカバーを開くと、SIMスロットが見える。バッテリーはリチウムイオン電池で、容量は2440mA。下部にBluetoothのペアリングをリセットするボタンが用意されている。操作インターフェースは、電源ボタンとiPhone 5sの充電ボタンだけ。電源ボタンの隣に、バッテリーやネットワークの状態を表すLEDが搭載されている。

右側面にはiPhone 5Sの充電スイッチを備える

左側面には充電端子のみ

上側面には電源ボタンとLEDを搭載

下側面にはUSB端子、イヤホン端子がある

背面のバッテリーカバーを外すと、バッテリーとSIMスロット、ペアリングボタンにアクセスできる

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