
本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
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iOS 7に「ウィークポイント」を発見せり
フラットデザイン、64bit対応、クラウドとの結合の深化……日本時間の19日未明に公開された「iOS 7」を語る言葉はいくつもあるが、19日時点では真の実力を発揮していない。Apple製品はハードとソフトの両輪が揃ってはじめて成り立つもの、iPhone 5は左右両輪の製造時期が1年違う。SNSなどを通じてiOS 7の使用感が聞こえてくるが、パフォーマンス云々は「iPhone 5S」で語るべきと個人的には考える。
実際、iOS 7では「4」以降のiPhoneをサポートすると公表している。ハードウェアとしての耐用期間を考えれば、3年4ヵ月前に発売されたiPhone 4はともかくとして、2011年10月発売のiPhone 4S、2012年9月発売のiPhone 5で“サクサク動く”ことが期待されるのは無理もない。筆者が試したかぎりでは、iPhone 4Sもまだまだ現役を続行できると感じたが、これはハードとソフトを分けて考えないAppleの面目躍如といっていいだろう。
しかし、「バッテリーの持ち」はいかがなものか。iOS 7をインストールして半日ほど外出したが、iOS 6のときより明らかに減りが激しい。移動中あまり使わなかったにもかかわらず、午前10時に家を出たときは充電率81%、午後4時に帰宅したときには22%。帰宅時時点で60%台、悪くても50%台という普段と変わらぬペースで利用したが、最寄り駅に到着したときはバッテリー残量を気にしなければならない状態だった。定量的な検証/調査は未了だが、この点に同意してくれるiOS 7ユーザーは多いのではなかろうか。
そう、OSのパフォーマンス、特にスマートフォンのそれを語るときには、バッテリーの持続時間を考慮に入れなければ意味がない。ソフトとハードだけでなくパフォーマンスとバッテリーパワーも両輪、それらがうまくバランスした「四駆」がほしいと切に願う次第だ。

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