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ノーク伊嶋のIT商材品評会 第2回

企業ITのワンストップサービスとして体系化、パートナー販売を可能に

中堅・中小企業需要を狙う富士通マーケティング「AZSERVICE」

2013年09月18日 08時00分更新

文● 伊嶋謙二(ノークリサーチ シニアアナリスト)

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AZSERVICEは5つのサービスで構成される

 AZSERVICEは「AZBOX」「AZCLOUD」「AZOFFICE」「AZSUPPORT」「AZNETWORK」という5つのサービスで構成されており、それぞれに従来の販売の仕組みの上に成り立っている。前述したAZBOXは、富士通のPCサーバー「PRIMERGY」にアプリケーションをセットアップ済みで提供するサービスだ。つまり富士通グループとしては、一義的にはPRIMERGYを拡販する目論見があり、そのためのサービスとしてAZSERVICEが用意されたわけだ。

 こうしたサービスをFJMの発足に合わせて用意した背景には、2つの理由がある。

 1つは、FJMを富士通の間接販売を担う存在として、本格的に認知させるためだ。そのために、パートナーが顧客を獲得するための“弾”となる商材をFJM自身が提供する。これがAZSERVICEであり、統合基幹業務アプリケーションの「GLOVIA smart きらら」である。これにより、FJMが主体となって展開することを文字どおり富士通のパートナー全体にアナウンスできる。

 もう1つは、特に中堅・中小企業の市場を開拓するミッションを実現するための、新規パートナー獲得である。より規模の小さな企業を開拓していくためには、全国に数多くのパートナーが必要となる。しかし、新たなパートナー獲得のためには、そのパートナーから顧客への“提案のハードル”を下げる必要がある。そのためのくふうとして、PCサーバーや各種アプリケーション、サービスをパッケージ化したAZSERVICEを提供する。これまで富士通の販売チャネルではなかったパートナーでも、新規顧客に販売するために役立つ仕組みを構築する狙いだ。

AZSERVICEの主要なコンポーネント

(1)AZBOX(システムインフラ・情報系ソリューション)
 AZBOXは、アプリケーションをセットアップ済みのPCサーバーを顧客に納入するサービスだ。以前は「1サーバーにつき1アプリケーション」というかたちに限定されていたが、2012年12月からHyper-Vモデルの提供も始まった。仮想化によって1サーバーで複数のアプリケーションを搭載することも可能となったため、商品としての幅が広がっている。

 また、Windows Server 2012の基本機能とクラウドサービス「AZCLOUD IaaS」(後述)を組み合わせて、仮想マシンイメージの自動バックアップを行う「AZBOX 簡単事業継続ソリューション」も提供している。「AZBOX 簡単事業継続ソリューション」は2012年11月販売開始で、3年間で5,000社への販売を目標としている。

AZBOXラインナップ一覧
サーバ仮想化 仮想化ベーシックセット
コミュニケーションインフラ Cisco UCセット
IP CallBox Lightセット
会議システム スマートデバイス会議セット
クライアント統制 PC管理セット(Systemwalker版)
クライアント仮想化 デスクトップ仮想化セット
検疫システム 持ち込みPC遮断セット(iNetSec Smart Finder)
インターネットセキュリティ UTMセット
リモートアクセス PC/携帯電話リモートアクセスセット
VPNセット モバイルオフィスゲートウェイセット
無線LAN 高速無線LANセット

AZBOX/AZBOX Hyper-V モデル。Windows Serverの仮想化技術「hyper-V」をあらかじめサーバーに組み込み、仮想OSと各種ビジネスアプリケーション、設定作業を施したVHD(VirtualHardDisk)ファイルを提供

(→次ページ、AZCLOUD、AZSUPPORT、AZNETWORK、AZOFFICE)

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