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秋の夜長にいい音楽を! 至高のPCスピーカーを選ぶ 第3回

USB DACでさらなる高音質化&激安サラウンド構築

2013年09月04日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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PCでリアル5.1ch再生もできるUSBサラウンドプロセッサー
クリエィティブ「Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 PRO」

薄型のスレートボディーにはボリュームツマミがあるのみ。シンプルなデザインだ。ボリューム調整のほか、ユーティリティソフトのメニュー操作なども行なえるリモコンが付属する

薄型スレートボディーの本体にはボリュームツマミがあるのみ。シンプルなデザインだ。ボリューム調整のほか、ユーティリティソフトのメニュー操作なども行なえるリモコンが付属する

 続いて、PCでのサラウンド再生を実現するデバイスを紹介していきたい。ハイレゾを含む音楽再生は2チャンネルが主流なので、サラウンドスピーカーまでは必要ないという人もいるだろうが、PCで楽しめるコンテンツは音楽だけではない。

 サラウンド収録が当たり前の映画もあるし、ゲームでも5.1ch出力ができるタイトルは多い。どうせPCにスピーカーを追加するならば、一気にサラウンドを実現してしまうというのはアリだと思う。

 PCにサラウンドスピーカーを組み合わせるには、5.1chアナログ出力や光デジタル音声出力、HDMI出力などが必要。こうした出力端子は、増設用のサウンドボードなどには装備されているが、ノートPCでは大画面のAV機能に特化したモデルでHDMI端子の搭載がある程度。所有しているPCがこうした出力端子を持っていれば話は簡単だが、一般的なノートPCとなると出力端子の増設自体が難しい。

 そこで紹介したいのが、クリエィティブの「Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 PRO」(実売価格7000円前後)。USB接続によるサラウンドプロセッサーだ。USBでPCと接続し、専用のドライバーソフトとユーティリティソフトをインストールすれば、5.1ch音源だけでなく、2チャンネル音源も5.1ch化して出力できる。

 ちなみに、音声は96kHzまで対応しているので、ハイレゾ対応のUSB DACとして使うことも可能だ。

 ユーティリティソフトには「THX TruStudio Pro」によるサラウンド調整機能があり、これを使うことでサラウンド効果やスピーカー配置のバランス調整などが行なえる。

背面には5.1ch信号用のアナログ音声出力にデジタル音声出力、PCと接続するUSB端子がある

背面には5.1ch信号用のアナログ音声出力にデジタル音声出力、PCと接続するUSB端子がある

側面にはヘッドフォン出力とオーディオ入力、マイク入力がある

側面にはヘッドフォン出力とオーディオ入力、マイク入力がある

PCと5.1chスピーカーとの接続イメージ

PCと5.1chスピーカーとの接続イメージ

 事実上、PCと接続するためのAVアンプ的な機能を持つと言っていい。しかも、光デジタル出力を備えるので、「ドルビーデジタル・ライブ」機能を使ったドルビーデジタル信号のビットストリーム出力も可能。

 dtsサラウンドやBDソフトの「ドルビーTreHD」「DTS-HD Master Audio」などに対応した再生ソフトを使ってPCM音声に変換すれば、それをデジタル出力できるので一般的なサラウンドスピーカーなどと接続できる。

8000円で一式揃う5.1chスピーカー
クリエイティブ「inspire T6300」

Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 PROと組み合わせて使うのに最適な「inspire T6300」

Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 PROと組み合わせて使うのに最適な「inspire T6300」。グロス仕上げで見た目も立派なフロント用スピーカーはコンパクトで置き場所の自由度は高い。さらに小型のセンターとサラウンド用スピーカーはタテ置き/ヨコ置きが可能。センタースピーカーはディスプレーの下などに置きやすい。

 Sound Blaster X-Fi Surround 5.1 PROで、サラウンド再生をするには5.1ch用のスピーカー必要だ。同じクリエイティブでは、「inspire T6300」(実売価格8000円前後)という5.1chスピーカーセットが用意されている。2つセットで購入しても、1万5000円程度というのはかなり安価だ。

サブウーファーはユニットを下向きに配置。幅175mmと比較的コンパクトで、机の下などに置いても邪魔になりにくい

サブウーファーはユニットを下向きに配置。幅175mmと比較的コンパクトで、机の下などに置いても邪魔になりにくい

ボリューム調整が可能な有線コントローラーも付いてくる

ボリューム調整が可能な有線コントローラーも付いてくる

 セットになったスピーカーは、コンパクトなサイズのフロント用2本と、一回り小さなセンター、サラウンド用スピーカーが3つ、そしてサブウーファーで構成される。スピーカーがコンパクトなので、フロントとセンターは机の上に手軽に置けるし、サラウンドスピーカーは後ろの本棚に置いたり、壁掛けなどをするといいだろう。

サブウーファーの背面には、5.1ch用の接続ケーブルがあり、これをプロセッサーと接続する。それぞれのスピーカーにはRCA端子の出力があるのでそれぞれと接続する。低音レベルを調整するボリュームもある

サブウーファーの背面には、5.1ch用の接続ケーブルがあり、これをプロセッサーと接続する。それぞれのスピーカーにはRCA端子の出力があるのでそれぞれと接続する。低音レベルを調整するボリュームもある

 接続を済ませて音を聴いてみると、小さいサイズながらもなかなかメリハリの効いたサウンドで、サラウンドの移動感や包囲感もきちんと再現できる。

 サラウンド設定の機能を使ってサラウンド感を調整できるので、好みに合わせて調整すればなかなか臨場感豊かなサラウンド再生が楽しめるだろう。

 この組み合わせの美点は、声の帯域の情報量がしっかりと出て、セリフが滑舌よく聴こえるし、サラウンドらしい四方からの音が明瞭に得られることだ。

 もちろん、もう少し細かい部分の再現性や、重低音の力強さなどは物足りない部分もあるが、価格を考えれば贅沢な要求だろう。むしろ、低音が鳴りすぎないので、個室での映画鑑賞などでは周囲への迷惑も少ない分、使いやすいだろう。

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