究極の省スペースサラウンドを追求するならば
サラウンドヘッドフォンの出番
最後はややスピーカーから離れてしまうが、PCと組み合わせて使うのに最適なサラウンドヘッドフォンがあるので紹介したい。
それがクリエイティブの「Sound Blaster EVO Zx」(実売価格2万3000円前後)。独自のサラウンドプロセッサーを内蔵するため、一般的なサラウンドヘッドフォンと異なり、外付けのプロセッサーが不要になっているのも便利だ。
しかも、このモデルはなかなか多機能でもある。まずNFCに対応するBluetooth機能によりワイヤレスヘッドフォンとして使うこともできる。スマホ用の操作用アプリも無料提供されている。
そして、ハウジング部分にはデュアルマイクが内蔵されており、そのまま通話などが行なえる。2つのマイクは声を拾うものと、周囲の雑音を拾うもの組み合わせで、周囲の雑音をキャンセルする機能も持っている。
サラウンド再生などはPCとUSB接続で行なう。デジタル接続なので音質的にも有利だが、そのうえ内蔵マイクでボイスチャットまで行なえる。サラウンドヘッドフォンというより、サラウンドヘッドセットと言った方が正確。機能的にはてんこ盛りのモデルだ。
40mmの大きめのドライバーユニットを備えていることもあり、その音は低音がたっぷりした迫力重視の音だ。多少ベースの音階があいまいになりがちではあるが、迫力やパワー感はたっぷりで、なかなか元気がいい。
映画のサラウンド感も割としっかりと再現できるが、2チャンネル再生もなかなか気持ちがいい。スピーカーで聴くような前方の音場が広がる再現ではなく、身体全体が音楽に包まれているような空間感となる。
ヘッドフォン的な頭の中で響く感じがないので聴き心地がいいし、パワフルな再生音と相まってちょっとしたライブハウスで音楽を聴いているような感じになる。
機能も含めてお買い得だが、サラウンドヘッドフォンでUSB接続で使えるというのは、かなり利便性が高いと思う。音楽はもちろんだが、映画やゲームも楽しみたいという人ならば注目のモデルと言える。
PCを使った音楽再生の可能性は無限大
好みのモデルを吟味して楽しもう
最近はスマホやタブレットに押され気味ではあるが、CPUパワーに優れたPCはハイレゾ再生や映画のサラウンドなど、コンテンツの多彩さという点では優位にある。
そのPCでも、音楽をはじめとしてかなり高品位で楽しめる環境が整ってきている。とはいえ、PC単体では肝心の音が貧弱になる。やはりまずはスピーカーを増設し、音のグレードアップに挑戦してみてほしい。そこから先の展開もいろいろあるので、予算に合わせて試してみれば、より豊かなオーディオ&ビジュアルの楽しみが広がるだろう。
個人的には、今回は試せなかったが、ヘッドマウントディスプレーとサラウンドヘッドフォンの組み合わせがなかなか魅力的だと思う。
SF映画のようなノリでネットゲームをプレイするのはかなり没入できそうだ。今回の特集をスタート地点にして、いろいろな楽しみ方を探索してみてほしい。
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