本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
スライドを凝視するとわかること
本来WWDCはその名のとおり開発者会議であり、テーマごとに開催されるセッションに参加することが大きな目的だが、初日に開催される基調講演への注目度が高まるあまり、開発のことを忘れがちだ。もっとも、開発関連の情報の多くは秘密保持契約(NDA)によって保護され、大っぴらには明らかにすることができない。UIの刷新は「iOS 7」における一大トピックであることは確かだが、大々的にフィーチャーされにくい開発系機能にこそ注目すべきなのだ。
“NDAの向こう側”の情報を知っていても書くことはできないし、明らかにNDA違反の情報へのリンクを指し示すこともできないが、基調講演のスライドを凝視すれば見えてくることがある。ここから演繹的に想像を膨らませていけば、AppleがiOS 7に期待しているであろう姿が浮かび上がってくるというものだ。
ザックリと言ってしまうと、それは「ゲーム市場への本気のコミット」と「Appleなりの近距離通信」だ。スライドから拾った言葉を採り上げつつ、そのふたつの言葉が意味するところを説明してみたい。
「MFi game controllers」が意味すること
まず注目したいのは、「MFi game controllers」という言葉。MFiとは「Made for iPhone」「Made for iPad」「Made for iPod」のことで、サードパーティがiOSデバイス向けのアクセサリーを開発するために必要な資料やテクニカルサポート、ロゴの提供などを行なうライセンスプログラムを意味する(関連リンク)。
MFiでゲームコントローラを提供するということは、Appleがこれまで以上にゲーム市場にコミットする用意があるのだと推測できる。それ以上はまったくもって藪の中だが、iOSデバイスには各種センサーが内蔵されていることを考慮すると、iOSデバイスにかぶせるような形で装着するタイプになりそうだ(そうすれば傾けるなどの操作がしやすい)。
個人的には、任天堂3DSやSONY PSPのような両手で支える形状を想像しているが、MFiではデザインも含めさまざまな“仕様”が決められているはず。アプリ側の対応も必要となるだろうから、ある一定の形状には落ち着きそうだ。
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