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オフィス設置を前提とした静音ブレードサーバーの進化形?

タワー型筐体に全部入り!「Dell PowerEdge VRTX」登場

2013年06月06日 16時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月6日、デルはリモートオフィスやスモールオフィス向けの統合型インフラ「Dell PowerEdge VRTX(バーテックス)」を発表した。タワー型筐体にブレードサーバー、共有ストレージなどを組み込んだユニークな製品となる。

コンパクトデータセンターをスモールビジネスに

 Dell PowerEdge VRTXは最大4つのサーバーノードを格納可能なシャーシにサーバー、ストレージ、ネットワークを統合した製品で、同社では「コンパクトデータセンター」を謳う。ハードウェアの統合により、電源やファン、ケーブルなどを大幅に削減すると共に、設置作業も容易になる。また、リモートでのコントロールも可能で、運用管理も効率的に行なえるという。

コンパクトデータセンターを謳う「Dell PowerEdge VRTX」

 Dell PowerEdge VRTXでは既存のブレードサーバーと異なり、オフィスでの据え置きを前提としたタワー型のコンパクトな筐体を採用するのが大きな特徴だ。前面からサーバーノードおよびストレージを格納でき、背面に4つの冗長電源や4つの冗長ファン、8つのNIC、8つのPCIeスロットなどのインターフェイスを搭載している。PCIeスロットやNICは、各サーバーノードに自由に割り当てられる。また、58~62デシベルと動作音が静かなのも、オフィス向けを謳うDell PowerEdge VRTXの特徴となっている。

Dell PowerEdge VRTXではオフィス向けに最適化されている

 サーバーノードとしては、Xeonプロセッサー E5-2600ファミリを搭載した「Dell PowerEdge M520」、Xeonプロセッサー E52400を搭載した「Dell PowerEdge M620」を選択可能。さまざまなRAIDオプションを持つほか、ハイパーバイザーの冗長化を可能にする2つのデュアルSDスロットを持つ。

 ディスクは2.5インチHDDを最大25台、3.5インチHDD12台、SSDなどから選択可能で、3.5インチHDDで最大48TBの容量を実現する。4つのサーバーからは直結されたストレージのようにアクセスでき、仮想ディスクを1台のサーバーまたは複数台のサーバーに柔軟にアサインすることが可能。また、仮想化環境のライブマイグレーションもシャーシ内で完結する。さらに内蔵ディスクは共有ストレージとして、外部のサーバーからアクセス可能なので、仮想化基盤にも最適だという。

VRTXビジネスを推進するプログラムも用意

 こうしたDell PowerEdge VRTXが登場した背景として、デルデンタープライズ・ソリューションズ統括本部 エンタープライズ・ビジネス開発部 部長の馬場健太郎氏は、日本国内の約108万の民間企業の支社、約19万の国・地方公共団体の事務所などの現状を説明した。

デルデンタープライズ・ソリューションズ統括本部 エンタープライズ・ビジネス開発部 部長の馬場健太郎氏

 こうしたオフィスには平均2.4台のサーバーが設置されているにもかかわらず、専任管理者がおらず、さまざまなハードウェアが増殖している状態。また、電源やスペース、騒音などの問題も顕在化しており、中堅・中小企業を悩ませている。こういったオフィスに向け、シンプル、効率性、柔軟性をもたらすのがDell PowerEdge VRTXだという。

 また馬場氏は、Dell PowerEdge VRTXのビジネスを加速すべく、複数のプログラムを提供すると説明。仮想化やVDI、データベースなどをVRTXにパッケージングしたビジネスレディソリューション(BRS)や、検証環境を無償提供するDell ISVプログラム、検証機の提供やトレーニングなどのチャネルプログラムを用意する。

 最小構成価格は133万8000円で、ラックマウントタイプとタワータイプの2種類が用意される。

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