コミュニケーションOSとしてのFacebook
Facebook Homeを導入したAndroidスマートフォンで、おそらく最もメリットを感じるであろう機能が「Chat Head」です。この機能は、FacebookメッセージかSMSを受信すると、画面上に友人のアイコンがスライドしてきて、タップすればすぐに返事が返せるという仕組みです。
Facebookメッセンジャーアプリを起動するには、前述の通り、ホーム画面で自分の顔を右にスワイプすれば良いのですが、端末を操作中にメッセージが着信すると、相手の顔が画面の端に流れ込んできます。タップすれば、現在進行形のメッセージの相手が表示され、すぐに返事をすることができます。
先ほど、仕事の一部のメッセージングをFacebookで行っているという話に触れましたが、AndroidにおいてはFacebookメッセージの着信をより明示的に、気づきやすい形で画面に表示してくれる点で、非常に便利に感じます。ただし、SMSやFacebookメッセージにはさほど依存していない日本のユーザーにとっては、そこまで大きくメリットを感じられないかも知れません。
画面の表現もさることながら、Facebook Homeを導入したスマートフォンを眺め、触っていると、人を中心としたコミュニケーションツールに進化したことに気づかされます。人が見た風景や出会った人の写真、そしてその人の顔が話しかけてくるChat Headは、今まで端末、アプリ、ウェブが主役だったモバイルコミュニケーションが、本来の「人」が中心の姿へと変わっていく様子に立ち会っているような感覚。
Windows Phoneはもともと、人でコミュニケーションを束ねるという考え方で、電話、Skype、Twitter、Facebookなどの複数のメッセージングとソーシャルへのポストを電話帳から人軸でチェックできるようにしていました。Facebook Homeの環境もこれに近いのですが、Facebookに限っている点で、より分かりやすく、また特に米国ではカジュアルなコミュニケーションの実情に合った環境を提供する事になっていると思います。
ちなみに、Chat HeadはアップデートされたiOS版Facebookアプリや、Android版のFacebook Messengerをインストールしても利用すできるようになっています。
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