フェイスブックがスタンプ機能をリリースするわずか5日前、実は同様のサービスが日本のウェブ広告制作会社・ピクルスの手でスタートしていた。Facebookでつながっている友達と、LINE風のスタンプでチャットできる「スタンプメッセンジャー」だ。本家のスタンプ機能リリースにも負けず、サービス継続を決断した理由とは。
「LINEは巨大すぎるので、まず勝てる相手じゃないですよね」。スタンプメッセンジャーを開発したピクルス取締役/アートディレクターの髙橋晋一朗氏は控えめに微笑んだ。
スタンプメッセンジャーはピクルスと、広告代理店である大広が組んでリリースした、Facebookのメッセージ機能と連動するiOSチャットアプリ。最大の特徴はFacebookの世界にLINE風スタンプを持ち込んだ点だ。
もともとLINEのユーザーを奪うことは念頭にない。「私たちはあくまでFacebookのサードパーティー。Facebookのユーザーに使ってもらうのが目的です」と大広の梅田亮プロデューサーは語る。
例えば大学生のユーザーが社会人になったとき、SNSも友人向けのLINEとビジネス用のFacebookといったように、使い分けが生じる。「LINEに慣れたユーザーは、Facebookでもスタンプを使いたいと思うはずです。そういうニーズにスタンプメッセンジャーは応えています」(梅田氏)。
Facebook本家もスタンプメッセンジャーの公開から5日後にスタンプ機能をリリースしたが、そこでで採用されているスタンプのイラストはデザインが独特で、日本人ウケするかという点では正直微妙だ。対してスタンプメッセンジャーは、日本のマンガ的な要素を多く取り入れ、違和感なくメッセージのやり取りに使えるようにしている。「それだけで差別化は十分できます」(髙橋氏)。
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