このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

電アス・ゲーム部 第60回

殺す以外に選択肢はない!

暴力的なスリル感がクセになる『Hotline Miami』

2013年03月13日 20時00分更新

文● 電撃オンライン編集部 まさ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 電撃オンラインのゲーム好き編集者が贈るゲームコラム。今回紹介するのは、スウェーデンのインディーズ系メーカーDennaton Gamesが開発を手がける(発売元はDevolver Digital)トップビューACT『Hotline Miami』です。

著者プロフィール

 皆さんこんにちは! 昨年末にSteamセールで買ったゲームを消化するのに忙しい日々を送っている、電撃オンライン海外ゲーム班のまさです。現在、まだ手を付けていないタイトルは50タイトル弱。うん、どう考えても今年中に終わらないね。

 Steamで『Hotline Miami』の配信が開始したのは昨年の10月。なので、普段からPCでゲームを遊んでいる人からしてみれば「取り上げるのが遅いよ!」と思われるかもしれませんが、先月末にちょっとうれしい情報が飛び込んできまして。なんと、PS3/PS Vita版の発売が決定したのです! とは言っても、国内で配信される可能性はかなり低いと思いますが……。ということで、今さらながらに「『Hotline Miami』ってどんなゲームなの?」というところから、本作の魅力を語っていきたいと思います。

ささいなミスが即死につながるスリル感がクセになる

 本作は、1989年のアメリカ、フロリダ州のマイアミを舞台にしたクライムアクションです。1989年と言えば、ちょうどアメリカでメガドライブ(GENESIS)が発売された年。『Hotline Miami』のゲーム画面は、16bit時代を彷彿とさせるレトロ調のグラフィックとなっており、30~40代のゲーマーには、ある種の懐かしさが感じられることでしょう。

ゲーム内の時代設定である、1989年ごろのゲームを思い起こさせるグラフィック

 ゲーム内容は単純明快。電話の内容に従って指定の建物に入り、建物内にいるロシアン・マフィアを全員殺すだけ。武器はすべて現地調達となっており、素手で攻撃した場合はダウンした敵にいちいちトドメを刺さなければならないのですが、バットや鉄パイプ、ナイフや銃などの武器を使って攻撃すれば、一撃で殺すことができます。

 また、武器は投げることができ、敵に鈍器を当てればダウン、刃物の類を当てれば殺すことができます。他には、ドアを開けて敵を突き飛ばしたり、ダウンした敵を引き起こして盾代わりにしたりといったアクションも用意されていますが、基本的には敵と接触したら、殴られる前に殴れ、撃たれる前に撃てといったゲームです。

敵を“倒す”ではなく、“殺す”と書かないとしっくりこないほど暴力的

 さて、ここまで読んだところで、「『Hotline Miami』は、バリバリと敵をなぎ倒していくゲームなのかな」と想像した人もいるかと思います。確かに、上達すればそのようなプレイも可能になるのですが、初プレイではまずそうはならないでしょう。と言うのもこの作品、主人公(プレイヤーキャラ)の基本的な能力が敵と同じなんですよ。しかも、敵のAIは単純ではあるものの反応は鋭く、こちらを見つけると即攻撃してくるので、事前情報なしでプレイを始めた人のほとんどは、一番最初に遭遇した敵に殴り殺されるという洗礼を受けるハメになったのではないでしょうか。

 あまりにもあっけない死に様に、思わず「なんだこのクソゲーは!」と投げ出したくなるかもしれませんが、そこは気を落ち着けてリスタート。死亡→リスタートを何度か繰り返していくうちに、非常にシビアではありますが、決して無理ゲーではないことに気がつくはずです。どの武器を使って、どのタイミングで攻撃を仕掛け、どの順番で敵を始末していくのか? その過程で、少しでもミスを犯せば一瞬で終わる……この何とも言えないスリル感が、だんだんとクセになってくるのです。

 サイケデリックな雰囲気や暴力的な表現も含めて人を選ぶゲームですが、時にはこっそり近づいて1人づつ仕留め、時にはショットガンで数人まとめてぶっ飛ばすなど、ゲーム性的にはスニークアクションが好きな人なら楽しめるではないかと思います。

ゲーム中で手に入るマスク。かぶるマスクによって、移動速度アップや攻撃に追加効果がつくなど、さまざまな能力が得られます

前へ 1 2 次へ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中