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電アス・ゲーム部 第60回

殺す以外に選択肢はない!

暴力的なスリル感がクセになる『Hotline Miami』

2013年03月13日 20時00分更新

文● 電撃オンライン編集部 まさ

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ぶっ飛んでいるようで、実はしっかりとまとまったストーリー展開

 『Hotline Miami』が高い評価を受けている理由として、ゲーム的なおもしろさだけでなく、ストーリー面での味わい深さもあげられます。トップビューで血みどろになっていくゲーム画面を見て『スマッシュT.V.』のような軽いノリのバカゲーを思い浮かべる人もいるかと思いますが、本作のストーリージャンルを定義するのであれば、“サイコサスペンス”になるかと思います。

一見すると普通の会話のようだが、どことなく“胡散臭さ”が感じられます

 ゲームをスタートし、簡単なチュートリアルを終えると、まずマスクをした謎の人物たちとの会話シーンが始まります。馬、鶏、梟のマスクをかぶった3人の人物から、主人公についてなにやら思わせぶりなことを言われますが、この時点ではまったく意味はわかりません。続いてのシーンは、主人公が住むマイアミのアパートの一室。留守番メッセージを受けて、主人公宛に届けられたクッキーの箱を開けると、中に入っていたのは脅しのような“依頼”と鶏のマスクでした。

 こんな得体の知れない依頼をこなすため、主人公はロシアン・マフィアたちを血の海へと沈めます。しかも、依頼はこれで終わったわけでなく、次の依頼、また次の依頼が主人公の部屋の電話にかかってくるのです。なぜ主人公は、この依頼を受けてしまうのか? そしてチャプターの合間に挿入されるマスクをした謎の人物たちとの会話が意味するところは……。

マスクをした謎の人物たちは、主人公のことをよく知っているようですが……

 このように、物語はわけがわからないことだらけの状態から始まり、ゲームが進むに連れて1つずつパズルのピースが埋まっていくかのように謎が明かされていくのです。“サイコサスペンス”につき、ストーリーの内容についてこれ以上は書きませんが、最後までプレイすれば、タイトルの“Hotline”が意味するところが理解できるかと思います。

 『Hotline Miami』は、繰り返しプレイしたくなる中毒性があるものの、全体としては数時間でクリアできる小粒なタイトルです。ただ、それだけにストーリーは間延び感もなく簡潔にまとまっており、ちょうどショートムービーを1本見るぐらいの感覚で楽しめます。レトロ調のグラフィックというオブラートに包まれているとは言え、かなりグロくてエグい内容なため大手を振ってオススメはできませんが、暴力的でイカれたストーリーを受け止められる大人の方に、ぜひとも体験してもらいたい作品です。

■関連サイト

▼『Hotline Miami』

  • メーカー:Devolver Digital
  • 対応機種:PC
  • ジャンル:ACT
  • 発売日:2012年10月24日
  • 希望小売価格:$9.99 USD

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