ACT→カードバトルに変化した経緯は!?
――最初はACTだったですね! そこからどうしてカードバトルゲームに?
岩野氏:思いの他、紆余曲折してしまいまして……それで今の形になりました。
――そこのところを具体的にお聞かせください。
岩野氏:この話を詰めていくと、実現させるには相当な時間とお金がかかることになったんです。今回は最初からACTを作るほどの時間が取れそうにもなかったので、そこから改めて私たち開発側で話し合った結果、今の形にまとまりました。ただ、そこからどうやって鎌池先生にお伝えしたものかと……。そこで一度、大きな決断を下すための打ち合わせをしたんですよね。
鎌池先生:ゲームの内容が大幅に変わると聞かされた時には、さすがにビックリしました(笑)。と言っても、スクウェア・エニックスさん側もゲームをおもしろくしようとした結果変わったんだろうなと思ったので、それほど心配という訳でもありませんでしたけど。
――ゲームジャンルが変わったのは、いつぐらいのことだったのでしょうか。
鎌池先生:お話をいただいてから、半年から1年は経っていましたよね。
岩野氏:そうですね。
――元々のACTは、どのくらい完成していたのでしょうか?
岩野氏:シナリオは完成までは行っていませんが、ある程度はできていました。
鎌池先生:サンプルステージができそうなくらいは書いていました。
岩野氏:そうなんですよ。せっかく書いてもらったのに、ゲームジャンルから一気に変わりますって切り出すのがちょっと心苦しくて……。ドキドキしながら、打ち明けた覚えがあります(笑)。
――ちなみに、ボツになってしまったACTが日の目を見るようなことはあるのでしょうか?
岩野氏:可能性は……どうでしょう(笑)。横スクロールという形にはしないと思いますが、『拡散性ミリオンアーサー』というIPはどんどん広げていきたいと思っています。そのままの形で出すということはないと思いますが、今の時代にあった形で展開していくことができればいいなと思っています。
――『拡散性ミリオンアーサー』というタイトルにある“ミリオン(100万人)”というのは、その当時からあった要素なのでしょうか?
岩野氏:ええ。最初からオンラインゲームにしようとは決めてはいました。元々は『拡散性エクスカリバー』というタイトルにしようとしたんですけど……。
鎌池先生:これも紆余曲折があって、エクスカリバーという名前をタイトルに付けられなくて、最初はもやもやしていたんですよ。そこからミリオンアーサーというタイトルが生まれたんです。
岩野氏:ちなみに最初のACTのころは、プレイヤーがエクスカリバーをいろいろな形に変化させながら攻撃していくというものだったんです。
鎌池先生:台座からエクスカリバーを引き抜くというところも、エクスカリバーという金属を操れないと抜くことができないという設定を考えてましたね。
――今の『拡散性ミリオンアーサー』では、それぞれのプレイヤーとなるアーサーがエクスカリバーを持っていますよね。
鎌池先生:最初は1本のエクスカリバーを3勢力で取り合うという形にしていたんです。でも、主人公なのに手元にエクスカリバーがないというのは、きっともやもやするだろうなと思って、やっぱり全員にエクスカリバーを持たせようと。そうした結果、たくさんのエクスカリバーが生まれてしまいました(笑)。
――では、“剣術の城”“技巧の場”“魔術の派”という3勢力は、どのように生まれたのでしょう?
岩野氏:この形のゲームにしようと決めた時、勢力は自分で好きなように選ばせようというゲーム性だったんですね。それで3つの勢力と、各勢力のメインとなる3人のアーサーの設定を鎌池先生にお願いしたという流れです。
――3人のアーサーを設定した際のポイントなどは?
鎌池先生:一番最初のオーダーですと、中2っぽいもの、乙女っぽいものとか、尖ったものが多かったですよね(笑)。そこからもう少し丸めていこうと、女の子の騎士が多い勢力とか、いろいろ変わっていきました。
岩野氏:確か、中2萌え腐女子とか、いろいろやっていました。でも後々考えて、中2と萌えと腐女子は一緒じゃないだろうとか考えて、その設定を外したりしました(笑)。
――ちなみに今はどの勢力のユーザーが多いのでしょう?
岩野氏:勢力ごとの数は言えませんが、現状は“剣術の城”の勢力が多いですね。ゲームのアイコンにもなっていますし、キャラ的にもスタンダードなキャラですので、入りやすいからだと思っています。コアなユーザーは“魔法の派”に多く所属している印象があります。“技巧の場”は、だいたい“魔法の派”と同じくらいなのですが、ブログなどで取り上げていただいているのを見ると、“魔法の派”の妖精が写っているのをよく見かけます。
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