ThinkPadは「コンシューマー」にも展開
NECとの連携に自信
--「ThinkPad」ブランドと「IdeaPad」ブランドについて、ビジネス戦略に変更がある、との報道がありましたが、それは事実ですか? その詳細を教えてください。
ホテンシャス「我々がアナウンスしたのは、基本的に我々の組織のバックエンドに関わることです。多くの国でビジネスの状況が2倍、3倍になりましたから、改めて整理が必要だ、ということになったのです。ですから、我々の主たる目的は、あくまでバックエンドのオペレーションの最適化です」
「しかし他方で、我々は『ThinkPad』をコンシューマー向けにも投入しようとしています。他のブランド(IdeaPadなど)については、エントリー向けの一般市場に提供します。大きなニュースは、ThinkPadをハイエンドコンシューマーにも提供する、ということでしょうね」
--ThinkPadの中で、どういったものがコンシューマー向けとなるわけですか?
ホテンシャス「(ThinkPad X1 Carbon Touchを持って)こういった製品は、完全に一般市場向けのプロダクトといえるでしょうね。タブレットについても、一般市場向けでありコンシューマープロダクトといえるでしょう」
「こういったクオリティーの高い製品を提示できることが、我々のアドバンテージだと思っています」
--2013年に提供する製品の中で、特に気に入っているものはなんですか?
ホテンシャス「それは難しい質問ですね(笑) テーブルPCも気に入っていますが、モバイルディスプレー(ThinkVision LT1423p)も気に入っています。現在展示しているものはUSBで接続していますが、近々ワイヤレス接続するものも商品化します。これはとてもクールなプロダクトですよ。今回展示しているPCはすべて好きですが、特にYogaは気に入っています」
--最後に、NECパーソナルコンピュータ(NECP)との協業について、現状どう評価していますか? YogaもNECとの協業によるものですが。
ホテンシャス「非常に密接に、共に開発を進めていますが、いい結果が生まれていると考えています。NECPのスキルは世界的に見ても素晴らしいもので、レノボの世界的なプロダクトの中に組み込むことで、より価値の高いものになります。今年はより連携を進めます。NECPの手による、日本市場向けの製品もとてもすばらしい。日本でのビジネスはとてもうまくいっています。現在、多くのプロダクトの開発が共同で進められています」
筆者紹介─西田 宗千佳
1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に「電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「災害時ケータイ&ネット活用BOOK」(共著、朝日新聞出版)、「形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組」(エンターブレイン)、「リアルタイムレポート デジタル教科書のゆくえ」(TAC出版)、「スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場」(アスキー・メディアワークス)、「漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち」(講談社)。 最新刊は「ソニーとアップル 2大ブランドの次なるステージ」(朝日新聞出版)。
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