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知らざれざるASUS製ビデオカードの作り込み具合を徹底調査! 第4回

ASUS製ビデオカードのクーリング性能に迫る【Radeon編】

2012年12月28日 11時00分更新

文● 藤田 忠

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ASUSビデオカードの集大成
「MATRIX」モデルを徹底検証

 まさに、この特集にベストといえるビデオカードが、絶妙なタイミングで登場している。それがASUSのこだわりと技術を満載したゲーマー&オーバークロッカー向けブランド「R.O.G.」シリーズに属するビデオカードの「MATRIX」モデルだ。ここからは、今、最も旬なこのビデオカードを使ってASUS製Radeon HD 7000シリーズ搭載ビデオカードの魅力を見ていこう。

ビデオカード版「R.O.G.」シリーズの「MATRIX」モデルは、3スロットを占有する巨大な「DirectCU II」クーラーに、「R.O.G.」シリーズならではの機能が搭載されている

 今回は、Radeon系シングル最上位GPUの「Radeon HD 7970 GHz Edition」を搭載するMATRIXモデル2製品のなかから、ASUSが徹底的にチューンナップを施している「MATRIX-HD7970-P-3GD5」をチョイスした。

「MATRIX-HD7970-P-3GD5」
製品情報:http://www.asus.co.jp/Graphics_Cards/AMD_Series/MATRIXHD7970P3GD5/
実売価格:6万円前後

 ストリーミングプロセッサー数やメモリーバス幅といったGPUコアのスペックは、従来の「Radeon HD 7970」と同じだが、コアクロックが従来の925MHzから1000MHzにアップされ、メモリークロックも5500MHz相当から6000MHz相当へ向上している「Radeon HD 7970 GHz Edition」を、さらにクロックアップした「MATRIX-HD7970-P-3GD5」。

ASUS製ビデオカードに付属する総合GPUツール「GPU Tweak」でスペックを表示

 その動作クロックは最速クラスになっており、定格コアクロックは1050MHz、GHz Editionで搭載された自動オーバークロック機能による最大Boostクロックは1100MHzになっている。メモリークロックも定格の6000MHz相当(1500MHz)から6600MHz相当(1650MHz)にアップされている。クロック向上による高い3D性能が非常に気になるが、はじめにMATRIXモデルではの独自機能とMATRIXモデル版DirectCU IIクーラーをチェックしていこう。

従来の3スロット版DirectCU IIクーラー(右)と見た目も違っているMATRIXモデル版DirectCU IIクーラー(左)。クーラー左端に刻まれた「R.O.G.」シリーズのロゴがうれしい

 まずは機能面だが、デジタル電源回路の「DIGI+ VRM」は、NVIDIAのシングル最上位GPUを搭載するオーバークロックモデル「GTX680-DC2T-2GD5」の2倍となる20フェーズを搭載。液体窒素を使った極冷時も限界までコア電圧を盛れそうだ。

ちょっとカコイイ“SAP”のロゴが入っているSuper Alloy Chokeなどがギッシリ搭載されている基板は見ごたえも抜群だ

 基板部品には、当然「Super Alloy Power」を採用しているが、コンデンサーには、より高温および低温化下での動作を想定し、マイナス70~125度まで耐えられる高耐久・高性能の日本製「Black Metallic Capacitor(ニチコンGTシリーズ)」を採用。105度の高温状態においても一般的な固体コンデンサーの5倍の高寿命を実現している。

限界クロックへの挑戦にうれしい
OC機能を搭載するMATRIXモデル

 ベンチマーカーに人気のRadeon系GPUを採用するMATRIXモデルは、オーバークロックに便利な機能を満載しているので、それをチェックしていこう。

 ひとつ目は、R.O.G.マザーボードのモニタ機能に対応する「VGA Hotwire」コネクターだ。VGA Hotwireをサポートする「Maximus V Extreme」(Intel Z77 Express)などのR.O.G.マザーボードと組み合わせれば、GPU電圧やメモリー電圧などの情報をリアルタイムに画面に表示できるハードウェアモニター機能になる。

一部のR.O.G.マザーボードに付属する「OC Key」で、画面上にハードウェア情報をオーバーレイで表示可能

 ふたつ目は、限界スコアーへ挑戦するベンチマーカーにうれしいGPU電圧のリアルタイム変更機能の「TweakIt」だ。基板上の「+」、「-」ボタンを押すだけで、ゲームやベンチマーク実行中のGPU電圧変更が可能になっている。また、各種設定をボタンひとつで出荷時状態に戻せる「Sefe Mode」ボタンも備えている。

「+」、「-」ボタンでベンチマーク計測中もGPU電圧を変更できる。また緊急時もさっと初期状態に戻せる「Sefe Mode」ボタンも便利だ

 3つ目はファンの回転数を最高回転数で固定する「Turbo Fan Activator」機能で、ボタンひとつでファン回転数を100%動作に固定できる。なお、MATRIXモデルは搭載する2基のファンの回転数を個別に調節できるようになっているもポイント。

ファンのアイコンが描かれたボタンを押すと、ファンの回転数が強制的に100%へ固定される。さすがに爆音になるが、限界スコアーを目指すベンチマーカーにはうれしい機能といえる

オーバークロックと静音性の両立を目指すユーザーにうれしいファン回転数の個別調節。「GPU Tweak」から簡単に回転数を変更できる

 最後はGPU負荷の状態を5色のLEDで表示する「LED Load Indicator」機能になる。LEDはビデオカードの上面にあるMATRIXロゴに備わっており、GPU負荷に応じてロゴの色が変化する仕組みになっている。正直、「必要?」と思う人も多いだろうが、実際に使っていると結構便利&楽しかったりする。とくにゲームシーンでの負荷がひと目でわかるのは楽しい。側面がアクリルパネルになっているPCケースで構成すれば、なかなか個性的なPCになるだろう。

MATRIXロゴが、定格動作時のグリーンから高負荷のレッドまで5段階に色が変化する

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