このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

まつもとあつしの「メディア維新を行く」第35回

LINEに至る道、そしてこれから。

2012年11月27日 09時00分更新

文● まつもとあつし

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

撤退の憂き目からNAVERまとめ、そしてLINEへ

 ASCII.jpの読者であればおそらくLINEを知らない人はほとんどいないはずだ。だが、世界で7500万人以上が使うようになったこの無料通話・メッセージングアプリが、なぜこれほどまで急激に支持を拡げたのか、あるいは、なぜDeNAやYahoo!がこの分野に相次いで参入してきたのか、説明できるだろうか?

 「無料だから」という単純な理由では、Skypeなどの先駆者がありながらの成長に説明が付かない。IT業界のなかでもこの現象の構造を理解している人は少ないというのが、正直な印象だ。

 筆者の連載でも、LINEを開発・運営するNHN JapanにLINE登場前から取材していた。2011年1月に、NAVERまとめについて森川亮社長、そして事業戦略室 室長/チーフストラテジストの舛田淳氏(現在は執行役員)に詳しく話を聞いていたのだ。

▼ASCII.jp:キュレーションって何ですか? NAVER森川社長に聞く

 当時は国内でもFacebookが訪問者数を伸ばし、“ソーシャルネット”なる造語も生まれ、ソーシャル分野こそがGoogleに変わる次のネットビジネスのトレンドだという考えが大勢を占めていたと思う。そんななか、ライブドアを吸収したばかりのNHN Japanでは自らのビジネスドメインを模索する動きが続いていた。

 2001年に一度検索サイトNAVERの撤退を経験しているNHN Japanにとって、ライブドア吸収後の動きは日本市場への再挑戦だった。キュレーションサービスのNAVERまとめをリリースしたのも、GoogleやYahoo!といった競合がひしめくなかで勝負できる場所に狙いを定めた結果だったということがこのインタビューを読み返してもよく理解できる。

 当時、“キュレーション”という言葉も流行したが、現在2ちゃんねるまとめサイトへの風当たりは強くなり、TwitterのAPI利用制限も厳しくなっている。以下の記事で紹介したように、NAVERまとめもGoogleから広告配信を停止される憂き目に遭っているが、以後も収益配分の仕組みが支持を拡げた。著作権、収益配分、巨大プラットフォームとの向き合い方など、考えに考え抜いた、先を見越したサービスだったとも言える。

▼ASCII.jp:NAVERまとめへの広告配信停止から見えて来るもの

 そんなNHN Japanが2011年の6月にリリースしたのがLINEだ。

前へ 1 2 3 次へ

この連載の記事
最新記事
最新記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ