“100年間戦い続ける”という設定をうまく生かしたゲームシステム
この作品のゲームとしての魅力は、“不老不死の男が100年間戦い続ける”という設定をうまくゲームシステムに落とし込んでいる点です。キャラクターには年齢があり、イベントをクリアしたり、フィールドマップを移動したりすると、日数が経過していき年をとっていきます。
さらに、キャラクターには“活動期間”と呼ばれるものが存在します。“25-31”などど表記されていて、これはキャラクターが活躍できる年齢を表しています。小さいほうの数字以前が“成長期”と呼ばれ、文字通りこの期間はパラメータがぐんぐん伸びていきます。小さい数字と大きい数字の間の期間は“全盛期”。成長度はゆるやかになりますが、もっとも活躍できる期間ですね。そして大きい数字以降は“衰退期”と呼ばれ、あとはパラメータが落ちていくのみになるのです。
キャラクターが“衰退期”に入ってしばらく経つと、パラメータが下がるところまで下がって、HPが1とかになっちゃいます。つまり、どんなに活躍した歴戦の勇者でも、いずれは騎士団を引退しなければならない時がくるのです。……ここも非常に“せつない”ところ。特に初期の騎士団を支えたメンバーには思い入れが生まれ、例え“衰退期”に入っても、「こいつにはお世話になったから、もう少しだけ残しておこう」なんて考えてしまうのが人情というのも。
そんなことをやっていると、いずれは騎士団がどんどん弱くなっていき、そして敵に勝てなくなってしまうんです。なので、このゲームでは、どうしても世代交代が必要になっていきます。
しかし、本作は別れの“せつなさ”ばかりを味わうゲームではありません。別れとは出会いの始まり。キャラクターたちは騎士団内で恋愛をし、さらに関係が進むと結婚・出産をします。生まれた子どもは、15歳になると「僕は○○の息子です! これからよろしくお願いします!!」なんて言いながら騎士団に入団します。これが非常にアツい! 「そうか、お前はアクラル暦1020年ぐらいに大活躍したあいつらの息子か……」と、まるでブラッドになったかのような感慨深い気持ちでいっぱいになるんです。
『ヴィーナス&ブレイブス』は、このような世代交代を経て、いかに強い騎士団を作り100年間を戦い抜くか、という“騎士団マネジメントゲーム”とも言えますね。
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