BDレコーダー10番勝負四本目!! 録画機能対決
次はレコーダーの命とも言える録画のための機能だ。録画と一口に言っても、録画予約、視聴番組の直接予約の2通りがあり、どちらもスムーズに行ないたいところ。また、長時間録画では録画モード数などにも注目したい。
パナソニック、ソニーともに、番組予約では番組表からボタンひとつで予約が完了できるワンタッチ予約が可能。視聴中の番組録画もそれぞれ同じワンボタンで録画開始できるようになっている。
詳細な録画予約では、どちらも画面が2度切り替わり、毎週録画などなら2ステップで完了する。録画モードの変更やそのほか詳細な設定をする場合は3ステップ目に進む。ここでは録画についてのすべての設定の変更や確認ができる。
このあたりは、どちらも互いをよく研究しているのか、比べてみると驚くほど似てきている。ただ、筆者としては親切すぎて逆に複雑化しているようにも感じる。ワンタッチ予約と詳細予約の2つだけの方がシンプルでいいかも……。いずれにしてもこのあたりの使い勝手は両者とも大きな差がない。
対決その12 長時間録画モードの数が多いのは?
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★
まずは長時間モードでの最長録画時間や録画モードの数などを比べてみた。3倍録画や10倍録画といった録画モードはより多くの番組が選べて便利なのだが、あまりに多くなるとどの録画モードを選ぶのかいいのか迷ってしまいがちだ。
従来は、どちらかというとパナソニックの方が録画モードは少なめの印象だった。ソニーはここ数年録画モード数に大きな変更はない。
しかし、パナソニックは近年録画モードを一新し、最長となる15倍相当モードをはじめ、なんと21もの録画モードを揃えてきた。これだけ多いとさすがに使いにくいので、基本的にはよく使う3つのモードを登録しておき、普段はそこから選択するようになっている。これは豊富な録画モード数と使い勝手のよさを兼ね備えるものだ。
録画モード数が多いことはダビング時にもメリットがある。WOWOWの映画など、ほんの少しだけBDの容量を超えてしまうような場合、画質劣化を最小とした録画モードが選びやすいからだ。
しかも、転送レートが約16Mbpsの1.5倍録や約13.3Mbpsの約1.8倍録のような高画質よりの画質モードが増えてきており、高画質派にとってもうれしい機能となっている。
ソニーはXR~ERの総数6つで、最長は11倍相当となっている。実用上は選択で迷うこともあまりなく使い勝手は良好。だが、画質変換時のダビングではBDの容量をオーバーしてしまうと、多少落差の大きい画質モードに落とすことになるのが惜しい。
このほか、ソニーの場合はAVC録画では音声がAACからドルビーデジタルに変換されるといった旧来からの仕様が残っている。変換による落差はそれほどではないが、もともと音質的には有利ではないAAC音声なので本来なら不要なドルビーデジタル変換はちょっと気になるところだ。
これらを考えると、パナソニックの勝利となるだろう。
対決その13 番組の持ち出し機能が便利なのは?
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★★
続いては、持ち出し番組の録画だ。番組持ち出し機能は携帯電話やスマホをはじめとしてどちらも数多くの機器に対応している。ここでは、持ち出し番組の録画モードや、放送完了後すぐに番組を持ち出せるかなどの、実用面についてチェックする。
パナソニックの場合、地デジは基本的にワンセグ放送を同時に録画し持ち出し番組とする。このため、ワンセグ放送の編成が異なる場合は別の番組が録画されることがある。
フルセグ放送を後から変換することも可能で、その場合はVGA画質とワンセグ画質相当が選べる。このため、番組をすぐに持ち出すという使い方では多少の差がある。あらかじめ持ち出し番組を指定しておけば、SDメモリーカードやUSB機器の装着時にいちいち番組を選択せずに転送する機能もあり、転送作業自体は簡単だ。
ソニーの場合は、持ち出し番組用のエンコーダーをチューナー数と同じだけ備えているので、あらかじめ持ち出し番組の設定をしておけばどの番組も放送完了後すぐに持ち出せるのが強み。
転送時の画質もVGA画質で2種、QVGA画質で2種の4種が選べるので、転送時間や画質に合わせて選べるのもメリットと言えるだろう。
本体前面にワンタッチボタンがあり、機器を接続してボタンを押せばあらかじめ設定した番組の転送が始まる。リモコンを使う手間さえ不要という便利さだ。
番組持ち出し機能をいち早く搭載したソニーだけあって、このあたりの機能の熟成度はさすがのもの。ここは文句なしにソニーの勝ちだ。
対決その14 自動録画が便利なのはどっち?
判定結果
- パナソニック「DMR-BZT830」:★★★
- ソニー「BDZ-ET2000」 :★★★★★
好みのタレントやジャンルなどを登録することで、該当する番組を自動で録画してくれるのが自動録画機能だ。録画予約の手間を減らせるだけでなく、目当てのタレントなどがある番組にほんのちょっと出演するような、つい録り逃してしまいがちな番組をフォローしてくれる機能としても便利なものと言える。
ソニーには「おまかせ・まる録」がある。これはユーザーの嗜好や使い方(視聴頻度や録画頻度)に合わせて自動で番組を探す学習型と、キーワードやジャンルの組み合わせで指定する検索型の両方が備わっている。
おまかせ・まる録は、学習型ではかなり緩い範囲で番組を探して録画するので、不要な番組が多く貯まってしまこともあるが、ピンポイントでの自動録画には検索型を使えばかなり絞り込めるので、特定のタレントやアイドルの番組を網羅するなら、こちらを使うほうが便利。
また、新たに録画先をUSB HDDに設定することも可能になったので、自動録画のせいで内蔵HDDの容量を圧迫してしまうということも回避できる。
一方パナソニックはこれまで、スマホやPCを使うディモーラによる自動録画で、本体側ではドラマまたはアニメの新番組のみを自動録画する機能だけだった。
しかしDMR-BZT830になってこちらの機能も強化され「かんたんおまかせ録画」が追加となった。これは、映画やドラマなど、あらかじめ選択したカテゴリーの番組を自動録画するというもの。カテゴリーを選ぶだけなので簡単に使えるのは確かだが、録画対象となる番組が多くなるため、不要な番組が増えてしまいそう。
このあたりも、やはり熟成度の差が出たと感じる。ここもソニーの完勝だ。
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