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EMC Velocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラム

サービスプロバイダーとWin-Winの関係を築くEMCの新戦略

2012年07月23日 09時00分更新

文● 渡邊利和

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7月19日、EMCジャパンはサービスプロバイダを対象とした新たなパートナープログラム「EMC Velocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラム」の国内導入を発表、国内第一号パートナーとしてインターネットイニシアティブ(IIJ)と契約締結したことも併せて発表した。

サービスプロバイダーもパートナーに

 EMCが新たに国内展開するVelocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラムは、海外ではすでに2年前から開始されており、約50社との契約が締結されているもの。今回のIIJとの契約成立によってようやく国内でもプログラムの提供が開始されることになった。EMCから見れば従来は“ユーザー”であったサービスプロバイダーをあらたに“パートナー”とすることで、両社共同での新たなソリューションの開発や共同マーケティング活動/共同営業活動などに取り組んでいくことになる。

従来の販売パートナー(ソリューション・プロバイダ・パートナー)と今回導入されたサービス・プロバイダ・パートナーの違い

 EMCでは、今後とも“プライベートクラウド”と“パブリッククラウド”を併用し、“ハイブリッドクラウド”環境を構築するユーザーが主流であり続けるとみている。このため、Velocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラム契約締結パートナーは、EMC製品を自社内で活用してプライベートクラウド環境を構築しているユーザー企業がパブリッククラウドの活用を考えた場合にEMCから紹介可能なクラウド事業者という位置づけになる。サービス・プロバイダ・パートナーはEMC製品を活用したクラウドサービスの提供を行なう。パートナーに対しては、マーケティング支援やトレーニング、ファイナンシャルサービスなどが提供される一方、パートナーが開発/提供するクラウドサービスはEMCがユーザー企業に提供可能なクラウド・サービス・カタログを充実させることになる。

EMC Velocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラムにおけるEMCとパートナーのそれぞれの取り組み

EMC Velocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラムでEMCがパートナーに対して提供するもの

 EMCジャパンの代表取締役社長の山野 修氏は、EMC Velocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラムに基づくサービスプロバイダーとのパートナーシップを「Win-Winの関係を実現するエコシステムの構築」だと表現しており、「ベンダーとサービスプロバイダの組み合わせによってクラウド市場の拡大に取り組む」としている。

EMCジャパン 代表取締役社長山野 修氏

EMC Powered Servicesとして位置づける

 発表にはIIJの執行役員 マーケティング本部長の松本 光吉氏も同席し、IIJの取り組みについての紹介を行なった。

インターネットイニシアティブ 執行役員 マーケティング本部長 松本 光吉氏

 IIJでは現在「持たないプライベートクラウドの提供」を標榜する「IIJ GIOクラウドサービス」を展開中だ。同社が言う「持たないプライベートクラウド」とは、「パブリッククラウドの経済性とプライベートクラウドの自由度を両立」させるというコンセプトだが、その実現のためには「サービス品質とコスト効率を両立するテクノロジ」が必要となり、これがEMCのストレージによって達成できるという。特に重要なのは仮想化技術への対応で、同氏は「サービス提供者の立場からすれば仮想化はやっかいな技術でトラブルも多いため、きちんと使いこなすことが何より重要になる」という。

IIJがEMC Velocityサービス・プロバイダ・パートナー・プログラムに基づいて大企業向けISVソリューションの提供を加速する

 EMCはVMwareと密接な連携を維持しており、VMware環境での豊富な稼働実績を誇ることから同社にとっても安心して利用できるストレージなのだという。同社では仮想化環境をクラウドとして提供する「IIJ GIO VWシリーズ」を“EMC Powered Services”として位置づけ、さらにEMCストレージの機能を活用したBCP/DRの提供なども行なっていく計画だ。

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