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“ウソがない”からできる、強いコンテンツ

2012年07月23日 11時00分更新

三浦たまみ

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心を掴む「私だったら……」の視点

 青木氏の“ウソのない”ショップ作りのセオリーは、「商品を実際に使ってみる」ところにも表れている。その代表格が、同社の社員が商品を家で使ってみて、その使用感を伝える『スタッフの愛用品』というコーナーだ。実は、ここで紹介する商品は、本当に社員の私物になったもの。撮影のため、文章を書くために愛用品の“フリ”をしているのではない。福利厚生の一環として、月に8個程度の商品を社員に提供しているのだ。

「事前に、社員が使いたい商品をwishリストとして出してもらい、バイヤーがその月に売りたいと思っている商品とすり合わせながら、誰に、どの商品を提供するか決めています。社員は欲しかった商品が手に入るので、嬉々として『スタッフの愛用品』に記事をアップしてくれます。だからこそ、その商品のよさを、リアリティをもってお客様にお伝えできるのです」

 実際、『スタッフの愛用品』コーナーは、同店の多くの人気を集めるコンテンツだ。記事をアップし、同時に商品紹介ページにも連動させると、その翌月は1.7倍、平均で1.95倍のコンバージョン率になる。それほど、お客様の関心は高い。

「『スタッフの愛用品』に限らず、どのページにも言えますが、大切なのは、“私の視点”です。『あなたのライフスタイルがこう変わりますよ』ではなく、『私だったら、こう使う』『私だったら、こう楽しむ』という視点があって、初めて人の気持ちは動き、結果として、読んでもらった人に『ライフスタイルは、こんなふうに変わるかも』と思ってもらえるんです」

『スタッフの愛用品』のコーナー。社員は、提供される商品を、自らが購入して自宅に届けてもらい、そのときの配送状況をチェックし、不備な点がないかも確認している

 北欧スタイルの環境下でのびのびと仕事ができ、実際に商品を使っている「私」が、「これ、ホントにかわいい!」と言った一言こそが、お客さまの心をグイと掴む。スタッフも、お客さまも、北欧雑貨好き同士。だからこそ、伝わる、分かる世界観があるのだ。

「僕に求められているもっとも重要な役割りは、社員の北欧雑貨と仕事に対する熱意を最大限に引き出せるように、職場の環境や仕組みを整えることなんですよね。それがきちんとしていれば、こちらが強制せずとも、ひとりひとりの社員が、どうやって表現したら北欧雑貨の魅力をより伝えられるのか、あれこれと創意工夫しながら自発的に行動してくれますから」

 青木氏は、『北欧、暮らしの道具店』を運営するにあたり、「サイトのメディア化」という考えに至り、独自の方針でコンテンツを制作している。これについては、次回で詳しくお伝えしよう。(続く)

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