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マニアも高評価のT1姉妹機に初のフルオープン

beyerdynamicのハイエンドヘッドフォン「T90」と「CUSTOM」公開

2012年05月14日 00時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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高々と掲げられた、フルオープン型ハイエンドヘッドフォンの「T90」。登壇者がなぜコスプレしてるかは文末をチェック

 ティアックは12日、“春のヘッドフォン祭 2012”の会場で、ドイツ・beyerdinamic社のヘッドフォン2製品を紹介した。1924年創業のbeyerは、放送・スタジオ機器の分野では著名なメーカー。2009年10月に国内発表された、セミオープンタイプのハイエンドヘッドフォン「T1」は、10万円前後の価格帯でありながら、国内のヘッドフォン・マニア層からも高い評価を受けている。

 今回発表されたのは、このT1の姉妹機と言える、テスラドライバー採用・フルオープンタイプの「T90」と、スタジオモニターヘッドフォンとして支持されているDT770 PRO(実売2万円台)のドライバーをベースにしつつ、ユーザーがデザインや音質を自由にカスタマイズできる「CUSTOM」。

 価格や発売時期に関しては未定だが、T90が今秋発売で5~6万円程度、CUSTOMが2万円程度になる見込み。

テスラドライバー採用のフルオープン機

 T90は今春ベルリンのオーディオで披露されたばかりの新製品で、国内初披露。サンプルが数日前に届いたばかりだという。会場では試聴もできたが、今後海外のイベントを転々とするそうで、国内ユーザーには貴重な機会となった。

T90。外観はハイエンドモニターヘッドフォンのT1によく似ているが、こちらはフルオープン

 T1は600Ωのハイインピーダンスのため、音量を取るためにはアンプ側にかなりの出力が必要になるが、T90は250Ωとかなり鳴らしやすくなっている。Tシリーズとしては初のフルオープン型だが、国内ではフルオープン型の人気が高い点からも期待されているモデルだ。

 会場で試聴した印象としては、T1の緻密かつ分離のいいサウンドに比べれば、自然で広がりを持ったサウンドという印象。情報量に関しては一歩譲る面はあるのだが、T1にはないゆったりと伸びやかな雰囲気があり、音楽を楽しめるモデルという印象だった。

 型番とも関係する“テスラ”は磁束密度の単位で、1テスラを超える磁束密度を持つドライバーを採用していることを表す。柔らかなベルベッドマイクロファイバー製のイヤーパッドなど装着感への配慮はT1譲り。豪華なキャリングバッグも付属する。

 周波数帯域は5Hz~40kHz。感度は102dB、重量は350g。ケーブル長は片出し3m。

自分好みのヘッドフォンを作れる!?

 CUSTOMは、DT770 PROのドライバーをベースとしつつ、ポータブルプレーヤーなどでも使いやすいインピーダンス16Ωにしている。側面(ハウジングカバー)の絵柄を変更可能で、オプションキットとして用意される。またヘッドバンド(茶・赤・黄・黒など)やイヤーパッド(黒・青など)の色を変更可能。

CUSTOMはデザインだけでなく、音質までも調整できる点が特徴

イヤーパッドの外側のデザインは色々なものが用意される予定。ソーシャル系サービスでの人気投票なども実施するそうだ

タバスコなんていうのも面白いかも

つまみを調整することで、密閉~フルオープンまで4段階の調整が可能(左)。DT770、DT880と周波数特性を比較したグラフ(右)

 音質面での特徴としては、下側のつまみを調節することで、密閉~オープンまで4段階の調整が可能になる点。これにより低域の量感を調節可能。

DT100。YouTubeなどで海外アーチストのレコーディング風景を見るとこのヘッドフォンを使っているシーンに遭遇することも多い

 なお、これまで海外のみで販売されてきた密閉型モニターヘッドフォン「DT100」も今秋から販売するという。価格は2万円程度を予定している。こちらは欧州では、アビーロード・スタジオなどでの導入実績があるなど、海外のスタジオで広く活躍している製品。ビートルズも使っていた……という意味で、冒頭のコスプレをしているとのこと(おそらくサージェントペッパーのリンゴスター)。

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