初期のmicroSDHCでは、
0.7mm厚に17枚のチップを封入!
去る2月22日に、サンディスクは「世界最小128Gb(ギガビット) NANDフラッシュメモリーチップを開発」というプレスリリースを発表した。
そのリリースの中には、「128Gbitチップの成功に基づく派生技術として、64Gbitの3bit/セル NANDフラッシュメモリーチップを、すでに業界標準のmicroSDカテゴリに使用している」と書いてある。128GbitのNANDフラッシュメモリーは、チップ面積が大きいのでmicroSDカテゴリには使えないけど、あの大きさの小さいチップも作っているよ、という意味だ。
64Gbitチップを1枚だけ使う場合、作れるメモリーの容量は8GBになってしまう。しかし、市場では32GBのmicroSDHCカードが2年前から発売されているし、64GBのmicroSDXCカードもすでに製品化されている。つまり、ある程度の容量の(micro)SDHCカードや(micro)SDXCカードは、どれもMCPということになる。
例えば、サンディスクが世界初の16GB microSDHCカードを発表したのは、2008年9月のことだ(関連リンク)。直後に開催されたエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2008」では、東芝が試作品の16GBカードの模型を展示していた。
この当時は8Gbitチップしか作れなかったので、16GBカードを作るためには16枚のメモリーチップを積み重ねる必要がある。だが、microSDカードは最大1mm厚で、ほとんどの部分は0.7mmしかない。つまり、0.7mmの厚さに「基板+メモリーチップ16枚+コントローラーチップ+チップ間のスペーサー+上部のカバー樹脂」を盛り込まないといけない。
当時の写真を探し出してきたところ、チップは18μm(0.018mm)まで研磨したと書いてある。当時の説明員曰く、「チップを削る技術よりも、そのチップをラインで運んで組み立てる技術を開発する方が難しかった」という説明をよく覚えている。
現在32GBのmicroSDHCカードを作るためには、64GbitのNANDフラッシュメモリーを使うと5枚重ねで済む。しかし前世代の32Gbitチップなら、9枚も重ねる必要がある。スマートフォンの普及もあって32GB microSDHCカードも比較的身近になったが、その中には何枚ものメモリーチップが積み重なっているのだ。
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