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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第144回

GPU黒歴史 トリッキーなツインGPUで自滅 Rage Fury MAXX

2012年03月26日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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多彩な製品が登場したRage 128世代
ただし性能はNVIDIAの後塵を拝す

Mach64からRADEON 256までのATIグラフィックチップロードマップ

 ATIは1998年に、3D Rage Proに「AGP 2X」対応を追加するとともに、若干のパフォーマンス向上をはたしたチップを「3D Rage Pro Turbo」として、OEM向けにリリースする。しかし、これをもってしても性能ギャップは縮まらず、前回紹介したS3の「ViRGE」同様に、ローエンド向けとして扱われることになった。ちなみにRage Proを搭載した製品として、ATIから「Xpert@Work」および「Xpert@Play」が発売されている。ちなみに両者の違いは、テレビ出力が搭載されているか否かだけ(Playが有り)だった。

 デスクトップ向けとしては評判の芳しくなかった3D Rage Proだが、モバイル向けにLVDSインターフェースを搭載した「Rage LT Pro」や、サーバーおよび組み込み向けに、3D機能を省いて低コスト化した「Rage XL/XC」(関連記事)は、かなりヒットする。特にRage XL/XCは、ラックマウントサーバー向けなどで「メンテナンス用にとりあえず画面出力が必要」といった用途に向けて、非常に多くのサーバーベンダーが採用することになる。これもまた、ATIの売り上げを支える重要な製品となった。ちなみにRage XLとRage XCの違いは、XCはPQFP、XLはBGAというパッケージの違いのみである。

 3D Rage Proまでは内部処理が64bitだったが、これを128bitで完全に新設計したのが、1998年に登場した「Rage 128」である。Rage 128には「Rage 128 GL」と、「Rage 128 VR」の2製品があった。両者は基本的に同じ構造だが、外部メモリーインターフェースがGLは128bit、VRは64bitとなっている。ようするにVRは低価格向け製品というわけだ。

 Rage 128シリーズは非常に多くの製品が投入された。まず低価格向けに「Xpert 128」と「Xpert 2000」、OEM向けに「Rage Magnum」、PCメインストリーム向けには「Rage Fury」、そしてMacintosh向けに「Rage Origin」「Nexus 128」「Xclaim VR 128」といったグラフィックスカードが登場する。その後はテレビチューナーやImpacTV2+まで搭載した、「All-in-Wonder 128」も発売されている。

 3Dに関しても大幅に性能強化され、またMPEG-2の再生支援機能も強化された。しかし3Dの性能は、Rage 128世代でようやくミドルレンジレベルにはなったが、ハイエンド向けとしては「RIVA TNT」に負けていた(連載15回を参照)。Rage 128は16bitカラーと32bitカラーでほとんど性能が同じなのに、RIVA TNTでは16bitカラーがRage 128のほぼ倍、32bitカラーだと同等というあたりが、両社の設計方針の違いを明確に物語っている。しかし当時はまだ16bitカラーが全盛期で、これにマッチしていたのはNVIDIAの方だった、ということだろう。

 ATIは翌年、Rage 128を強化した「Rage 128 Pro」をリリースする。こちらは3Dの描画機能を、おおむね1.5倍に性能向上し、さらにテクスチャー圧縮などDirectX 6で追加された機能を追加したものだ。ミドルレンジにおけるポジションは確立したものの、ハイエンドに関してはNVIDIAの「RIVA TNT2」や「RIVA TNT2 Ultra」、3dfxの「Voodoo 3」などがすでに投入されており、これらにはやはり及ばなかった。とはいえ、コンシューマー向けに「Rage Fury Pro」、ビジネスユーザー向けに「Xpert 2000 Pro」といったグラフィックスカードを展開し、のちに「All-in-Wonder 128 Pro」も登場した。

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