低価格向けでは2013年にJaguarコアを投入
3つ目がEssentialこと低価格のセグメントで、ここには現在「Brazos」プラットフォーム(AMD E/Cシリーズ)を提供している。2012年は引き続き「Bobcat」コアをベースに、「DX11 capable GPU」という表現で、既存のBrazosを若干更新した「Brazos 2.0」が導入される。
このBrazos 2.0、当初は「Radeon HD 7000シリーズのGCNシリーズGPUを搭載するのでは?」という予測もあったが、引き続き40nmプロセスで製造されている。GCNと明示的に書かれていない以上、Radeon HD 5000もしくは6000シリーズのGPUと考えるのが妥当だろう。
個人的には「既存のRadeon HD 5000シリーズから、Radeon HD 6000シリーズのGPUに変更されたのではないか」と思う。どちらも40nm世代のDirectX 11対応GPUではあるが、Radeon HD 6000シリーズでは内部の見直しなどで効率が若干上がっている。「2.0」と付ける以上、多少なりとも性能を引き上げないとまずいし、VLIW5からVLIW4の変更は、そう難しくはないと思われる。
この低価格セグメントは、2013年には「Kabini」APUに切り替わる。CPUコアは「Jaguar」CPUで、これは「JaguarはローパワーAPUに向けた、Bobcatコアアーキテクチャーの革新である」とのこと。この世代では、CPUコアが4つの製品も導入されるようだ。またGPUもGCN対応になっているほか、図には記されていないが説明には「付け加えると、新しいJaguarコアはHSAに向けて拡張されたAPUで、(従来よりも)プログラミングで性能を引き出すのが容易である」とあり、こちらもHSAアプリケーションのサポートが追加されているようだ。
モバイル向けの2013年はKaveri APUに
最後がモバイル向けのロードマップである。おおむねデスクトップと構成は同じであるが、モバイルということを考慮してか、Trinityはパフォーマンス/メインストリームとも35Wおよび17~25Wと抑え気味であり、これは2013年のKaveriでも引き継がれると思われる。
メインストリームの下の方から低価格(Essential)は、今年がBrazos 2.0、来年がKabiniであるが、2013年のKabiniはやや適用範囲が上の方まで伸びている。これはJaguarの4コア構成の性能がそれなりに高いことを見込んで、ということではないかと思われる。
最後がタブレット/ファンレスで、2012年に「Hondo」、2013年には「Temash」を投入する。Hondoについては、「HondoはAMDがタブレット向けに設計した5W未満のAPUである。Hondoは低消費電力のBobcat CPUコアとDirectX 11 GPUを、BGAかピンレスのパッケージに収める」とされており、基本的にはBrazos 2.0と同じものの低消費電力版となる。投入時期は2012年後半とされている。
一方で、Temashの方は明示はされていないが、説明を読む限りはKabiniと同じもので、2コアかつ低消費電力向けの製品(恐らくHondoと同じく4.5W枠)で動作すると思われる。
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