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T教授の「戦略的衝動買い」 第181回

一本は持っていたい万年筆「マイスターシュテュック149」

2012年02月21日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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太くがっしりとした
質実剛健なデザイン

 届いた149は、最新のワンストップ・キットモデルで、ミッドナイトブルーのボトルインク付きの大箱で送られてきた。149本体は、噂通り大きくて、太くがっしりしたピストン方式の「質実剛健」をデザインで現した、正にドイツ的万年筆だった。

  興味本位で、胴体のもっとも太い部分の直径を電子ノギスで計測してみたところ、よく似たデザインのプラチナ3776などより2mm以上も太い15mm超だった。しかし、ある程度の大きさの手の男性にとって、その信頼感あるニギニギ感は、太さというよりも安心感があり抜群だ。

 万年筆にとって、本体の出来不出来は極めて重要な要素だが、インクとの組み合わせや、今回はなにより筆記する対象の「紙」の影響が極めて大きいことを実感した。これはアナログ・オーディオで言う、「針」と「スピーカー」の関係にも近いものかもしれない。筆記する用紙によって、同じ「B」でも痩せたり太ったりは日常茶飯事。当然のことだが、カラー用紙なら、筆記したインクの色までまったく違って見える。

同じ万年筆でも筆記用によって色や文字の太さ、感覚は大きく変化する。筆者は、裏写りせず筆記時に少し引っかかりがあり、予期せずインクが滲んだりして文字が不規則に太くならないフールス紙を愛用している

 「プラチナ#3776センチュリー」など、国産メーカーの実力ある2万円以下の万年筆と比較して、約6万円で購入した149が価格相応の万年筆かどうかは意見の分かれるところかも知れない。しかし、「それは世界ブランドとしてのモンブランをどう評価するか? 日常使いの筆記用紙との組み合わせをどう設定するか」ということでも大きく変化する。過去、衝動買いの約半分は後悔が付きまとうという感覚があったが、「マイスターシュテュック149」は、長く付き合っていきたいと思う万年筆であることだけは確かだ。

太い149は、ペンケース選びにも少し注意がいる。筆者は、伊東屋オリジナルの1本ケースを使っている

不似合いだが、どうしてもマーカーと組み合わせるなら、以前このコラムでもご紹介したモンブラン・ドキュメント・マーカーしかない

最近、愛用の筆記具3点セット。ボールペンはBICの記念モデルにBold芯を入れて使っている


T教授

今回の衝動買い

アイテム:モンブラン社「マイスターシュテュック149」
価格:約6万円にてAmazonで購入(メーカー希望小売価格8万9250円)

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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