強電界エリアで測定開始!
上り速度が従来の4Mbpsから7Mbps前後に
今回はUQコミュニケーションズの協力を仰ぎ、「この場所なら安定的に64QAMで送受信できる」という場所を紹介してもらった(場所は非公開)。
その場所は、基地局側のアンテナが幹線道路そばに電柱のような形で設置されていた。ビルの屋上のような高い場所よりも、こういった低い場所のほうが指向性の面で有利だという。
また、計測場所とアンテナ間の距離は50mほどで、遮蔽物は一切存在しない。確かに素人目線で見ても、バツグンの好条件であることを感じさせる場所だ。
ではテストの結果を見てみよう。テストに使用したモバイルルーターは64QAM送信に対応する「Aterm WM3600R」と「URoad-8000」、64QAMに対応しない「URoad-7000SS」の合計3台を用意し、それぞれで通信速度を計測している。
また、インターネット上の速度計測サイトでは、計測サーバーの状態や経路といった要素がどうしても数値に出てしまうので、今回は純粋に端末と基地局とのデータ通信速度を計測するべく、10MB程度のドキュメントをアップロードする時間も測定してみた。
まず、インターネット上の計測サイトを使った上り速度計測の結果は、64QAMの速度が6~7Mbps前後、16QAMが4Mbps前後になった。1.5倍という理論値に近い速度向上と言えるだろう。
続いて、10MBのファイルを「Googleドキュメント」にアップロードした時間を計測したところ、URoad-7000SSは28秒かかったのに対して、Aterm WM3600RとURoad-8000は14秒で完了。かかった時間は約半分だ。
ちなみに、UQコミュニケーションズは速度測定に独自の方式(数十MBクラスのファイルをFTPサーバーにアップしてその速度をモニタリング)を採用しているが、その方式で測定した結果は、URoad-7000SSが最大4.491Mbps(平均4.192Mbps)なのに対して、URoad-8000は最大6.996Mbps(平均6.996Mbps)、Aterm WM3600Rは最大7.054Mbps(平均5.7Mbps)となった。
電波状況次第だが
アップロード主体なら狙い目
上り7Mbpsは高速ADSLを超えるスピードである。今回の上り64QAM対応により、好条件下であれば上り速度はADSLを超えるのが実証された。
正直、強電界の状態を安定的に得るのは難しいかもしれないが、FTPサーバーへのアップロードや各種クラウドサービスといった、上り速度が快適さに直結する使い方をしているユーザーにはうれしい改良なのは間違いない。
すでにWiMAXを利用しているユーザーは、手持ちのモバイルルーターが上り64QAMに対応しているかどうかをチェックしておきたい。対応製品でもファームウェアのバージョンアップなどが必要な場合があるので、こちらも同時にチェックしておこう。
非対応製品ならAterm WM3600Rへの買い換えも検討したい。64QAM対応だけでなく、タフなバッテリー駆動時間、デュアルSSID、公衆無線LAN対応など使い勝手も優れており、モバイルルーターとしての完成度はかなり高いと思う。
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