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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第86回

仕様書より開発者の“勝手”信じた、KORG人気シリーズ第2弾

2012年02月04日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ウォーターフォール的じゃないアジャイル的な開発

―― 演奏面ではオーディオループを読めるのが新しいんですが。WAVフォーマットだったら何でも読めるんですか?

斉田 はい。ファイルをSDカードに入れてもらって、電源を入れてもらえば、そのまま読みます。

―― ただのWAVファイルでもループ再生する?

斉田 はい。

坂巻 本当はファイルのヘッダーにBPMが付いていればいいんですけどね。Garage Bandのループはどうなるんだっけ?

斉田 WAVに変換すれば読めます。でもBPMはkaossilator 2の今のBPMになっちゃいますね。一番いいのは、これで録音したものを使うということですけど。

―― iKaossilatorが書きだしたWAVファイルはループとして読めるので、iKaossilatorの書き出すファイルヘッダーの構造も、そうなっているということですよね?

斉田 今はなってないんですけど、kaossilator 2の発売時期(3月)にiKaossilatorのバージョンアップを予定しているので、それ以降はそうなります。

―― 演奏面で他に何か新しいことはありますか?

坂巻 あとドラムにスイングも付いたんですよね。このアルペジエーターだけじゃなくて、このスイングでドラムも動くんですよ。

大田 ……? 

坂巻 あれっ?

―― なんか大田さんは黙ってますけど。スイングしてますね。

大田 それ知らなかった。マジ?

斉田 マジ。

坂巻 これ斉田くんがやったの?

斉田 いや、そこは僕じゃないです。

―― すみません、今のやりとりはどういうことですか?

坂巻 こうやっていろんな人が勝手にやってくれるんですよ。

―― 逆に言うと細かい仕様を切っていないということですか?

坂巻 ウォーターフォール的じゃなくてアジャイル的なんです

※ ソフトウェアの開発手法。ウォーターフォールは予め開発ステップを決め、後戻りしないことでロスを最小化する「計画型」。アジャイルは全体を小さな機能に分割し、機能を追加しながら開発を進める「適応型」。先例のないソフトウェア開発に向いている。

斉田 ザックリこんな感じのものだよね、と言うことは全員が共有していて、どうしたら楽しくなるかを、皆がちょっとずつ考えているんです。

大田 いつの間にか機能が増えてるしね。

斉田 「こんなのやってみたんですけど、どうでしょう?」とか。ああ、いいと思いますよ、とか。

坂巻 このディスプレイの鍵盤の絵も知らないうちに付いていて。皆が勝手にやってくれて、いいものができる。それがKORGのいいところですよね。



著者紹介――四本淑三

 1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。

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